もしものときのためにきちんと備えておきたい防災用品。大規模災害発生時には1週間分の備蓄が望ましいとされていますが、「収納場所が無い」という方も多いのではないでしょうか。新築時に間取りを検討するときには忘れがちですが、防災用品の収納場所もしっかり考えておきたいポイントです。そこで今回は、防災用品の収納の考え方やコツをご紹介します。
避難の段階と防災用品の基本
防災用品は、非難の段階に合わせ0次・1次・2次に分けて考えられることがあります。
0次:外出中・移動中の被災に備え、常に携帯する防災用品
1次:自宅や勤務先に常備し、避難の際に持ち出す最低限の防災用品
2次:ライフラインが途絶えても生活できるように自宅に備蓄しておく防災用品
参考:減災グッズチェックリスト | 人と防災未来センター
防災用品の収納のコツ
では、それぞれの防災用品の理想の収納場所はどこなのでしょうか?実は、正解は無いというのが結論です。立地状況や家族構成、間取りによって避難時の動きは変わってきます。いざという時にそれぞれが迷わず行動するためにも、それぞれのご家庭で一度話し合うことがおすすめです。ここでは、基本的な考え方や間取りのアイデアを紹介しますので、参考にしてみてください。
1次の備え
自宅や勤務先から安全な場所に避難する際に、とっさに持ち出せる防災リュックなどを用意しておきましょう。ヘルメットや防災頭巾、靴なども合わせて取り出せるようにしておくと安心です。収納場所として考えられるのは玄関や寝室、廊下などですが、家族が過ごす時間が多いリビングに置いておくという考え方もあります。
2次の備え
避難所での生活が長期化・あるいは在宅避難時に、ライフラインが止まっていても家族が暮らしていけるような食料・飲料水・生活用品のストックがあると安心です。これらはどこか一か所にまとめて置いておくというより、使う場所のそばに日常的なストック品と一緒に置いておくという場合が多いかもしれません。
【場所別】収納場所のアイデア
玄関
防災リュックやヘルメットなどは、持ち出しやすいように玄関や廊下の収納にしまう方が多いのではないでしょうか。2次の備えをまとめておく場合も、土間収納や納戸など大きな物がしまえる場所が便利です。
リビング
平常時も非常時も家族の拠点となるリビング。防災リュックなどの1次の備えや、家族で共有する2次の備えを置くのもいいかもしれません。収納スペースが少なくなりがちな場所なので、ベンチ収納などを活用して収納場所を確保しましょう。
キッチン
食材や水、使い捨て食器など普段使うものを多めにストックするローリングストックで備蓄する場合は、パントリーを設けておくのがおすすめです。2次の備えである非常食は、しまい込んでしまうと気づいたら消費期限が切れていた、なんてことも。日ごろから目にする場所に置いておくことで管理もラクになります。
子ども部屋
子ども部屋で過ごす時間が多い場合は、避難時に持ち出しやすいように一人分の防災リュックや、万が一逃げられなかった時のために、水や携帯食を備えておくと安心です。
寝室
就寝時に地震が起きた場合、玄関ではなく他の出入り口から逃げる必要があったり、玄関まで行くのにも物が散乱していることが想定されます。安全に避難できるように靴や懐中電灯をそなえておきたいですね。収納場所としては、ベッドサイドテーブルやWICなどが考えられます。
アウトドア体験×災育
防災用品としても使えるアウトドア用品。庭で使う場合は土間収納、バルコニーで使う場合は納戸など、移動距離が短い場所にしまっておきたいところ。日ごろからおうちアウトドアを楽しむことは、缶詰やレトルト食品などローリングストックで備蓄した食材と、限られたエネルギーや水を使ったサバイバル体験でもあるので、災育につながります。
まとめ
ここまで、防災用品の基本と収納のコツををご紹介してきましたが、防災の考え方は周辺環境や家族の状況、ライフスタイルによってそれぞれです。防災用品で何を備えておくか、どこに収納しておくかを家族で相談することで、それぞれが防災意識をもつきっかけにもなるので、ぜひ一度話し合ってみてくださいね。