世界における日本の国土面積はわずか0.25%ですが、マグニチュード6.0以上の地震のじつに20%は日本周辺で発生しています。日本で暮らすかぎり地震を避けることができないため、多くの人が「建てるなら地震に強い家にしたい」と思っているはずです。
そこで気になるのが、建物の構造を示す「耐震」「免震」「制震」という言葉。似たような印象にも見えますが、どのような違いがあるのでしょうか?それぞれのメリット・デメリットを解説します。
耐震基準とは?
耐震基準は、地震に対して一定の耐久性を持つように定められた、建物の構造に関する基準です。建物を新たに建てるときには、建築基準法に基づく耐震基準を満たす内容で設計・建築しなければなりません。
建築基準法は、建物の安全性をより高めるよう改正が重ねられてきました。なかでも1981年(昭和56年)の法改正により耐震基準が大きく強化されたことから、それ以前の基準は「旧耐震基準」、以降の基準は「新耐震基準」と呼ばれます。
なお、現在の耐震基準は「震度6強〜7程度の大規模地震でも、建物が倒壊・崩壊しない」という水準に定められています。
耐震・免震・制震構造の違い
耐震構造
建物の主要構造(梁や柱など)を強化することで、地震に耐える方法です。揺れによる建物の倒壊を防ぎ、人命を守ります。
制震構造
制震装置(ブレースなど)を建物に組み込む方法です。地震のエネルギーを制振装置が吸収して、建物の揺れを小さくします。
免震構造
建物と基礎の間に免震装置(積層ゴム、ダンパーなど)を設置する方法です。地震の揺れを遮断し、地盤の揺れを建物に伝えないようにします。
耐震・免震・制震構造のそれぞれの特徴
耐震構造
もっとも多くの建物に採用され、広く普及している地震対策です。新築住宅であれば、すべての建物で新耐震基準に沿った水準を満たしているため、とくにコストを追加しなくても一定の強度が確保できます。
耐震構造は建物の倒壊を防ぎ、中にいる人の命を守ることを目的としていますが、揺れを軽減するものではないため、家具などの転倒を防ぐことはできないと考えましょう。
また、大地震の場合には建物自体に損傷や変形が生じる可能性があり、継続して使用するためには、修繕が必要になることがあります。繰り返し大きな地震が起きた場合には、ダメージが蓄積されて倒壊に至る可能性があるので注意が必要です。高層の建物の場合、上階に行くほど揺れが増幅されます。
制震構造
制震装置で揺れを吸収するため、建物が損傷・変形する可能性が下がります。耐震構造のみの建物に比べると上階ほど揺れが低減されるため、特に高層建築に有効な地震対策です。ただし、地面よりも揺れが小さくなることはありません。免震構造に比べて低コストで導入できます。
免震構造
地面と建物を免震装置で切り離すため揺れの伝わりが大変少なく、建物が損傷・変形する可能性がほとんどありません。そのため、繰り返しの地震に強いことが特徴です。家具の横転や、転倒による怪我といった二次被害の防止に有効です。
3つの地震対策のなかでも導入費用がもっとも高コストです。建築後も免震装置の定期的なメンテンスが必須となるため、維持費用も考えておく必要があります。
まとめ:地震に強い家を建てるには?
地震に強い住まいづくりの基本は、耐震構造です。新築住宅であれば、新耐震基準に沿った強度が確保されています。
ウィザースホームの住まいは、2×6工法が標準仕様なので、従来の2×4工法に比べて曲げ強度は従来の約2.5倍、圧縮強度は約1.6倍を実現。また、床・壁・天井を面で囲む「モノコック構造」によりエネルギーを分散させて建物のねじれを防ぎ、標準仕様でも耐震性能の高い住まいとなります。
さらに「耐震+制振」や「耐震+免振」のように複数の地震対策を組み合わせることで、より強靭で安心な住まいにすることができます。
地震の発生の正確な予知や予防はできないため、備えが大切です。地震対策の特徴を知り住まいづくりに活かすことで、大切な家族や財産を守りましょう。
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