コロナ禍をきっかけに、アウトドアやキャンプが注目を集めました。その時に購入したキャンプ用品、今どうしていますか?キャンプツールは、そのまま防災用品にもなるんです。自宅でいつでも楽しめる「おうちキャンプ」による、防災訓練をご提案します。
おうちキャンプで防災意識を高める
どれくらいの備えが必要?
大規模な自然災害が発生したとき、救援体制が整うまでに少なくとも3日掛かることが予想されます。その期間を自力で乗り切るために、最低3日分の食品は用意しておきたいもの。政府の中央防災会議では、1週間分の家庭内備蓄を推奨しています。物流が復活したあともしばらく店頭に並ぶ品目が限られる可能性があるため、乳幼児、高齢者、食品アレルギーや疾患がある方がいる家庭では、それぞれの状況に合わせて多めに備蓄しておきましょう。
家庭内での災害備蓄には、「ローリングストック」がおすすめです。ローリングストックとは、いつも利用する日用品や食品を備蓄として多めに購入しておき、賞味期限が近いものから消費し、減った分をその都度補充する方法です。ふだんの暮らしの中で、無理なく非常時に備えることができます。
おうちキャンプのメリット
日本は世界でも有数の地震大国。首都直下地震や南海トラフ地震がいつ起きてもおかしくないと言われています。そこで、家庭内でできる防災訓練の一環として「おうちキャンプ」はいかがでしょうか?「防災訓練」と考えると身構えてしまいますが、おうちキャンプという形にイベント化することで、大人も子どもも楽しみながら学ぶことができます。
おうちキャンプをしてみよう
電気やガスを使わずに過ごしてみる
これまでの大規模災害では、電気・ガスなどのライフラインが復旧するまでに1週間以上掛かったケースも多く見られます。いつもは当たり前に使える電気やガス、それらが使えなくなったら、どうなるのでしょうか?真っ暗な室内を安全に避難できる?調理はできる?冷暖房は?スマホが使えなくなったら?…実際に電気やガスを使わずに過ごしてみて、必要と感じたモノがあれば後ほど備蓄品に加えておきましょう。
キャンプ用品の使い方を確認する
寝袋やランタン、調理用具など「持っているけれど最近あまり使っていない」「購入してみたけれどまだ使っていない」という状態のアウトドアグッズがあれば、おうちキャンプのなかで使ってみましょう。いざというときに安心して使用できるよう、使い方や注意事項をチェックし、しばらく使っていなかった物は保管状況を確認のうえで必要に応じてメンテナンスをしておきます。
【食】は重要!キャンプ飯(めし)のすすめ
食べ慣れた食品を備える
非常食には乾パンや缶詰、アルファ米などの保存期間が長いものが多いです。普段食べ慣れていない食品に生じがちな「味が好みではない」「食べ方や調理法がよくわからない」といった問題を防ぐために、おうちキャンプのなかで非常食を試食してみましょう。
非常食にこだわらなくても、賞味期限が長いレトルト食品はローリングストックに加えておきたいもの。温めずに食べられるレトルトカレーやごはん等も市販されているので、お気に入りのものを見つけておくと安心です。普段食べ慣れている食品には、非常時のストレスを和らげる効果もあります。
温かい食べ物が心を守る
非常時は水や熱源の確保が難しいため、どうしても食品を温めずにそのまま食べる機会が多くなりますが、冷たい食品は食味が悪く、食欲低下につながりがちです。温かい食べ物は、疲れ切った体と不安な心にひとときの安心感をもたらしてくれるため、カセットコンロやキャンプ用バーナーなどの熱源はぜひ用意しておきましょう。
簡単に作れる、水を節約できる
災害時に重要となるポイントが水の節約と衛生管理です。食器洗いは大量の水を必要とするため、使い捨て食器を活用することで極力洗い物を出さないようにしましょう。紙皿などがなくても、食器の上にポリ袋やラップを敷けば、食後に剥がして捨てるだけで済みます。
また、近年注目を集めている調理方法が、食材を入れたポリ袋を湯せんで加熱する「ポリ袋調理」です。鍋を汚さない、別々に味付けした食材を一度に加熱できる、湯せんに使用したお湯を繰り返し使用できる、といったメリットがあり、水の消費を大幅に減らすことができます。
ポリ袋調理はキャンプ時だけでなく、普段の調理法としてもおすすめです。ポリ袋は必ず「熱湯ボイル用」「湯せん調理用」などの表記があり、調理・食品保存に適した製品を選びましょう。
災害時にも役立つキャンプグッズ
クーラーボックス
一般的な冷蔵・冷凍庫と異なり、クーラーボックスは上部を開閉するため冷気が逃げにくいです。災害時には食品を冷蔵・冷凍庫からクーラーボックスに移すことで、保冷時間を延ばすことができます。
給水用タンク
給水用タンクは大容量だと安心感がありますが、大きすぎると水を入れた際に持ち運びが困難になります。そのため、小さめの容量のものも用意しておくのがおすすめです。破損はないか、変なニオイがしないかを定期的に確認しましょう。
カセットコンロ、キャンプ用バーナー
カセットコンロは、卓上で鍋などをする際にも便利です。ガスボンベのストックも定期的に入れ替えましょう。
「室内で火を使うのが怖い」という方にはヒートパックがおすすめです。ヒートパックは酸化カルシウムとアルミ粉末が主成分で、少量の水を注ぐことで化学反応を起こし、最高で約100℃の高温に達する発熱剤です。15〜20分ほどでレトルト食品や缶詰などを温めることができます。
保温調理器、スープジャー
保温調理器があれば最低限の加熱時間で、効率よく食品に火を通すことができます。専用の製品がなくても、火からおろした鍋をバスタオルや毛布で包むことで代用することが可能です。
おうちキャンプが楽しくなる家づくりのアイデア
こちらはウィザースホームの「ソラなかバルコニー」。おうちに居ながらにしてアウトドア気分を楽しめる空間です。通常のバルコニーに比べて手すりを高めに設計しているため、近隣住宅の視線からプライバシーを守ります。しっかりとした広さがありテントを張ることも可能なので、気候の良い時季にはここで一泊するのも楽しそうです。
こちらは、フロアを一段下げた土間スペース。こだわりのキャンプ用品を飾りながら、収納できる空間です。アウトドアテーブルやチェアをしまい込まずに、日頃から活躍させることができます。住まいにこんな空間があれば、日常的におうちキャンプが楽しめそうです。
まとめ:継続的なおうちキャンプで防災を身近に
防災への備えは、一時的なものではなく継続することが大切です。おうちキャンプなら、家族みんなで楽しみながら防災訓練に取り組むことができます。「最近キャンプに行っていない…」「キャンプツールを買ったけど使っていない…」という方は、グッズのメンテナンスを兼ねておうちキャンプをしてみませんか?