観葉植物を置くと、住まいが心地よくおしゃれな空間に生まれ変わります。また、インテリアの一部になるだけでなく、癒やし効果や空気の浄化作用も。この記事では、観葉植物のある生活のメリットや選び方のポイント、実際に観葉植物を取り入れた住まいの実例をご紹介します。
この記事のポイント
- ・観葉植物のメリットは、インテリア性・癒やし・空気の浄化など。
- ・観葉植物を選ぶポイントは、育てやすさの難易度・置き場所との相性・成長速度。
- ・高気密・高断熱住宅は気温が安定するため、植物にとっても快適な環境を提供できる。
家に観葉植物を置くメリット
観葉植物には、暮らしの質を向上させるさまざまなメリットがあります。
おしゃれな雰囲気になる
インテリアの仕上げに何かをプラスするなら、観葉植物がおすすめです。どのようなインテリアテイストとも調和しつつ、空間にナチュラルなアクセントが加わります。さらに、お部屋の雰囲気に合わせて植木鉢や鉢カバーをコーディネートすると、インテリアの完成度がアップします。
空気を浄化する効果がある
観葉植物には、空気をきれいにする効果があると言われています。観葉植物のなかでもポピュラーな“サンスベリア”や“ポトス”は、空気中の有害物質を吸収して浄化する能力が高いそうです。さらに、スマホやパソコンなどの電子機器が発する電磁波を和らげてくれるという説もあります。
風水効果で運気を高める
中国の古代思想である風水において、観葉植物は「気」の流れを整えて運気を上げるとされています。観葉植物を住まいに取り入れることで、ポジティブなエネルギーを引き寄せる効果が期待できます。
癒やされる・楽しみができる
観葉植物を育てることは、日常に楽しみをもたらします。水やりやお手入れを通じて植物と向き合う時間は、癒しを感じるひとときとなるはずです。また、新しい葉が出てきたり茎が伸びたりする様子を見ることで、達成感や喜びを感じることができます。
観葉植物の選び方
ひとくちに観葉植物といっても、その種類はさまざま。暮らしに合う植物を見つけるためのポイントを確認してみましょう。
育てやすさの難易度
丈夫で育てやすい観葉植物を選ぶことで、日常のケアが負担になりにくくなります。以下は、初心者向けとして人気が高い観葉植物の一例です。
さらに、若く小さなものよりもある程度成長した観葉植物を選んだほうが、根がしっかり張っているため丈夫な傾向があります。また、鉢のサイズが小さすぎないほうが土の量が多いため水切れしにくく、安定した環境を保ちやすいです。
置き場所との相性
観葉植物を購入する前に、家のどこに置くかを考えることも大切です。環境に合った観葉植物を選ぶことで、よく育つようになります。
玄関や廊下などのあまり明るくない場所には、耐陰性が高い植物がおすすめです。たとえば、シダ系やサトイモ科の観葉植物は、ある程度の日陰でも育ちます。一方、よく光の入る場所には、ガジュマルやフィカス(ゴムの木)の仲間、多肉植物などがおすすめです。また、オリーブやユーカリなど長い日照と風通しの良い環境を好む植物は、テラスや玄関先などの屋外管理が向いています。
成長の速さ・大きさ
観葉植物の大きさは4〜7号鉢(直径12〜21cm)程度のものが、適度なサイズ感で扱いやすく置き場所の自由度も高いため、初心者におすすめです。また、成長が早い観葉植物は、新しい葉が次々と出てきて楽しめますが、その分樹形が変わりやすくトリミングの手間がかかることもあります。成長が遅い植物は手入れの回数が少なくて済むため、忙しい方にはこちらが向いているかもしれません。
観葉植物を上手に育てるポイント
観葉植物は品種ごとに育成に適した環境が異なりますが、共通するポイントは「水・光・風」です。
水はあげすぎないように
観葉植物は水がないと枯れてしまいますが、あげすぎも根腐れの原因になります。特に室内で育てる観葉植物は乾燥気味の環境を好むものが多いため、適度な水やりが必要です。基本的には、土の表面が乾いてから水をあげるようにしましょう。乾燥に強い品種(サンスベリアや多肉植物など)なら、成長期でも1〜2週間に1回程度で十分です。
ほどよい光が当たる場所
観葉植物にとって光は不可欠ですが、一般的な観葉植物は直射日光に晒されると葉が焼けることもあり、ほどよい明るさの光が適しています。育て方ガイドなどに「明るい室内」と記載されている場合は、レースのカーテン越しの柔らかい日差しが目安です。
光の不足が続くと、葉が落ちたり徒長(細く間延びして育つこと)したりして、いずれ枯れてしまいます。もし十分な光が確保できない場合には、植物育成用のLEDライトを使うのもひとつの手です。
空気を循環させる
風通しが悪い場所は空気が淀み、観葉植物が病気にかかりやすくなります。窓を開けての換気が難しい場合は、扇風機やサーキュレーターで空気を動かしてあげましょう。ただし、エアコンやヒーターの風が直接当たる場所は避けてください。冷暖房の風は乾燥しすぎているため観葉植物にダメージを与えます。
観葉植物を育てやすい家づくりのポイント
家づくりを計画している段階で観葉植物に適した環境を整えておくと、上手に育てやすくなります。
建築段階で植物の置き場所をつくる
新築の設計時に、家具のレイアウトとともに観葉植物を置く場所も決めておくと、植物を育てやすいインテリアが実現できます。日当たりや風通しが良く日頃から目が届きやすいため、リビングやダイニングの窓際などがおすすめです。天井にハンギングバーを取り付けておけば、吊り下げタイプの植物を育てつつ、空間の立体感を演出することもできます。いずれの場合も、生活動線を遮らない場所を確保することがポイントです。
高気密・高断熱住宅にする
観葉植物の多くは温暖な地域が原産のため耐寒性があまりなく、冬に調子を落としたり枯れたりすることがあります。比較的寒さに強い品種でも、昼夜の寒暖差が大きい環境は負担が大きく、夜間の強い冷気で致命的なダメージを受けることもあるため注意が必要です。
そこで、住まいを高気密・高断熱にすることをおすすめします。高気密・高断熱住宅は外気の影響を受けにくく室内の温度が安定しているため、寒さに弱い観葉植物にとって快適な環境です。植物にとって快適な環境は、人にとっても心地よい住まいといえます。
観葉植物と暮らす住まい実例
【実例1】観葉植物のあるLDK
中庭に面する窓際に大きめの観葉植物をレイアウト。モノトーンのモダンな空間に、観葉植物の緑色が差し色となっています。インテリアに調和するグレーの鉢カバーで、スタイリッシュな印象に。
【実例2】観葉植物のあるリビング
土間リビングの一角に置かれた観葉植物。高窓から降り注ぐ光を浴びて、伸びやかに葉を広げています。吹き抜けとともに空間の高さを感じさせ、リビングの開放感を強調しています。
【実例3】観葉植物のある寝室
おやすみから目覚めまで、観葉植物に囲まれて過ごせる寝室。枕元のハンギンググリーンは、ヒンメリ(北欧のモビール)とともに優しい雰囲気を演出しています。
【実例4】観葉植物のあるリビング
ウォールナットのフローリングが重厚な空間に、観葉植物が彩りを添えるリビング。窓が大きくない場所には、耐陰性の高い品種が適しています。
まとめ:観葉植物のある暮らしを始めよう
観葉植物は、住まいに彩りを添えてくれる存在です。インテリアとしての魅力だけでなく、育てる喜びや癒やしも与えてくれます。観葉植物の健康な成長には光・水・風が欠かせないため、陽当りや風通しを意識した環境を整えることがポイント。また、高気密・高断熱住宅は冬場も気温が安定しているため、観葉植物が育ちやすいです。観葉植物のある住まいで、緑に癒やされる心地よい暮らしを楽しみませんか?