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2024.09.21

冬も暖かい家、高気密・高断熱住宅のメリット・デメリットを解説

目 次

冬の冷え込みが厳しくて家事が憂鬱…
暖房を点けてもなかなか効かない…
そんなお悩みありませんか?
住まいの気密性と断熱性が高ければ、冷暖房効率がよく快適で健康な暮らしを送ることができますよ。
この記事では、高気密・高断熱住宅の特徴や基準値について解説します。

高気密・高断熱住宅の特徴

高気密住宅とは?

高気密住宅とは、空気が出入りするすき間が少ない住まいのこと。
築年数が古い家では「窓をしっかり閉めているのにどこからともなく冷たい風が入ってくる」というお悩みを聞くことがあります。住宅には、窓のサッシや玄関ドア、床材や壁・天井材のつなぎ目、コンセントやスイッチなど、さまざまな場所に小さなすき間があるもの。このようなすき間を極力を減らし高気密住宅にすることで、冷たい外気の侵入を防ぐことができます。

高断熱住宅とは?

高断熱住宅とは、壁や床に断熱材を充填することで、外気温の影響を受けにくくした住まいです。一般的に、断熱材が厚くなるほど断熱性能が向上します。羽毛がたっぷりと入ったダウンジャケットをイメージすると分かりやすいかもしません。断熱不足の住まいでは「暖房を点けてもなかなか部屋が暖かくならない」「壁や床がいつも冷え切っている」といったお悩みが聞かれがちです。

夏涼しく冬暖かい

気密性と断熱性の高い住まいは魔法瓶のように外気温の影響を受けにくくなるため、夏は涼しく冬は暖かい快適な環境を保ちやすいです。冬の寒さが厳しい北米で生まれ発達してきた高気密・高断熱住宅は、日本でも寒冷地を中心に広がりを見せています。

高気密・高断熱な家のメリット

省エネで光熱費が軽減できる

高気密・高断熱住宅は外気温の影響を受けにくいため、冷暖房の効果を最大限に引き出します。無駄なエネルギーの使用を減らすことができるため、家計にも環境にも優しい住まいです。ウィザースホームの住まいは一般的な在来木造住宅に比べて約3倍の断熱性があり、年間の冷暖房費用を約70%削減することができます。

健康によい影響がある

暖かい家に住んでいる人は、アレルギー性鼻炎や高血圧性疾患などの持病が少なく健康な人が多い傾向があります。寒い家から暖かい家に転居することで、健康状態が改善するケースもあるそうです。
気密性・断熱性が低い家は冬場冷え込みやすく、ヒートショックのリスクが高いです。ヒートショックとは、気温差により血圧が急激に上下し、心筋梗塞や脳卒中などの健康被害につながること。例えば、寒い脱衣所で服を脱ぎ熱いお風呂に浸かる、こんなときに起きやすいです。高気密・高断熱住宅は、住まい全体を暖かく保つため、ヒートショックのリスク軽減になります。
(参考)一般社団法人 健康・省エネ住宅を推進する国民会議
http://www.kokumin-kaigi.jp/thinkhealth/thth/family.html

高気密・高断熱な住まいのデメリット

建築コストがかかる

高気密・高断熱住宅は、そうでない家の建築費用に比べて1坪当たりおよそ3〜5万円ほどのコストアップになります。ただ、月々の光熱費を軽減できるため、数十年にわたり暮らしていくことを考慮して、総合的に考えると良いでしょう。

壁内結露が起こる場合がある

高気密・高断熱をうたう住宅でも、適切な施工がされていなければ壁の内側で結露が起きてしまうことがあります。気密性の不足により水蒸気を含む空気が壁の内部に侵入して断熱材に吸収されることが原因です。見えない場所の結露は発見が遅れやすく、土台や柱の劣化を早め、住まいの寿命を縮めてしまいます。

高気密・高断熱な家を建てる際のポイント

換気システムを重視する

高気密・高断熱住宅では自然な空気の入れ替わりが起きないため、換気扇と給気口による24時間換気システムが備え付けられています。汚れた空気を排出し、シックハウス症候群や結露の発生を防止することが目的です。住まいの熱効率をより高めたい場合には、排気の際に熱エネルギーを回収して戻す熱交換換気を採用します。換気扇の消費電力はごく低いため、メンテナンス等のとき以外は24時間換気システムを停止しないようにしましょう。

石油ストーブの使用には注意

密閉した室内で石油ストーブを使用すると、湿度が上がり酸素が不足します。これは、石油が燃焼するとき、空気中の酸素が二酸化炭素と水に代わる性質があるためです。特に高気密の住まいでは、結露や不完全燃焼による一酸化炭素中毒が起きやすくなるため、石油ストーブを使用するときには24時間換気システムだけに頼らず、1時間に1〜2回、1〜2分ほど窓を開けて空気を入れ替えましょう。なお、マンションやアパートなどの集合住宅のほとんどでは、火災リスクが高いとして石油ストーブの使用が禁止されています。

高気密・高断熱住宅の基準とは?

住まいの省エネルギー性能を示す基準にはいくつかの種類がありますが、どこからが「高気密・高断熱住宅」なのかというと、実のところはっきりとした定義はありません。
国が定める「次世代省エネルギー基準」では、南北に長い日本は寒冷地と温暖地の差が大きいため、8つの地域区分が定められています。もっとも寒さが厳しい1地域(北海道)において、気密性を示すC値は2.0cm2/m2以下、断熱性を示すUA値は0.46 W/m2K以下が基準値となっています。

気密性:C値【単位:cm2/m2】

住宅の気密性を示す数値で、「隙間相当面積」ともいいます。住宅のすき間から空気が流れ出る量を測定し、延床面積で割ることで算出されます。C値の数値が低いほど、気密性に優れた住まいということです。

断熱性:UA値【単位:W/m2K】

住宅の断熱性を示す数値で、「外皮平均熱貫流率」ともいいます。住宅全体から逃げる熱の量を、外皮面積(屋根や外壁の面積)で割ったものです。UAの値の低い住まいほど、断熱性が高いということになります。

ZEH(ゼッチ)

ZEH(ゼッチ)とは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」を省略したもの。高気密・高断熱住宅による省エネルギーと、省エネ性能の高い家電、太陽光発電システムや燃料電池などの組み合わせにより、消費エネルギーの収支がおおむねゼロになる住宅です。

まとめ

暮らしやすさを向上し、省エネで環境に優しい高気密・高断熱住宅。建築時のイニシャルコストはかかりますが、光熱費の軽減ができるため、長い目で見ればお財布にも優しいはず。
住まいの性能を示すC値やUA値ですが、「数値を見てもよく分からない…」と思っても、無理はありません。高気密・高断熱住宅の魅力は、実際に経験して見るのがいちばん。一度モデルハウスに足を運んでみませんか?

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