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2025.05.31

パッシブデザインとは?自然の力を活かす 快適な家づくり

目 次

「パッシブデザイン」という言葉をご存知ですか?太陽光や風といった自然の力を味方につけ、快適で省エネな住まいをつくる設計手法です。その始まりは1990年代とされていますが、環境意識の高まりから近年ふたたび注目を集めるようになりました。この記事では、パッシブデザインの基礎知識や、実際に住まいに取り入れる方法、気になるメリット・デメリットを解説します。

この記事のポイント

  • ・パッシブデザインは太陽光や風を最大限に活かす設計思想
  • ・住まいの快適性のほか光熱費削減や健康メリットも期待できる
  • ・立地条件や周辺環境に合わせたプランニングが大切

パッシブデザインの基礎知識

「パッシブデザイン」とは、太陽光や風といった自然エネルギーを最大限活用し、エアコンや照明などの設備にできるだけ頼らずに室内を快適に保つ設計思想です。また、設備で室温や明るさを調整する方法は「アクティブデザイン」と呼ばれます。より快適性を高めるには、パッシブデザインとアクティブデザインをバランスよく組み合わせることが大切です。

パッシブデザインの5つの要素

冬の日射を暖房に活かす

寒い冬には日差しを取り入れ、その熱で部屋を温めます。南向きの窓の大きさや位置、軒(のき)の深さを工夫することで太陽の熱を効率よく取り入れることが可能です。なお、冬は太陽の高度が低くなるため、室内の奥まで暖かい光が差し込みやすいという特性があります。窓の大きさや軒の深さは、夏と冬の太陽の角度を考慮したバランスのよい設計が大切です。

夏の日差しを遮る

夏の直射日光は室温を大きく上昇させるため、軒や遮熱ガラスなどを活用し、窓から入る日差しをコントロールします。なかでも真夏の夕方に差し込む西陽の暑さは特に厳しいため、西側の窓を減らしたり小さくしたりする方法もあります。また、庭に落葉樹を植えるのも効果的です。夏は葉が茂って日差しを遮り、冬は葉が落ちて暖かい日光を室内に取り込むことができます。

風通しをよくする

通風計画も大切なポイントです。窓の位置や大きさを設計する際に風の入口と出口を考慮することで、自然な換気が可能になります。プライバシーを守りつつ通風を確保するには、高窓や地窓が有効です。住宅密集地エリアなどでは、窓を開けても風を取り入れにくい場合があるため、周辺の状況も考慮しましょう。

自然光を効率よく取り込む

日中できるだけ照明を使わずに済むよう、自然光を室内に取り込みましょう。部屋の奥まで明るくするためには、窓の大きさだけでなく向きや位置も大切です。吹き抜けや高窓を設けると、上部からも光を取り入れられ、空間全体を明るく保ちやすくなります。さらに、廊下や隣接する部屋との間に室内窓を設けると、外から取り入れた光を行き渡らせることができます。

高断熱・高気密で熱の出入りを防ぐ

パッシブデザインを実現するうえで、特に重要なものが「断熱性」です。断熱性能が高い住まいは外気温の影響を受けにくく、冬は室内の暖かさを逃さず、夏は外の暑さをしっかりと遮断。一年を通して快適な室温を保つことができ、エネルギー消費の削減にもつながります。

住宅の断熱性は「UA値(外皮平均熱貫流率)」という数値で示され、値が小さいほど断熱性能が高いことを意味します。また、断熱性能を最大限に活かすには、すき間風を防ぐ「気密性」も大切です。気密性は「C値(相当隙間面積)」で表され、こちらも値が低いほど優れた性能となります。

関連記事:UA値とは?断熱等級の基準と家づくりのポイントを解説

パッシブデザインのメリット

省エネで光熱費を抑えられる

自然エネルギーを活用することで、エアコンや照明の稼働時間を減らすことができます。月々の光熱費を抑え、家計の負担を軽減することが可能です。

一年中快適に過ごせる

パッシブデザインを採用することで、冬は太陽の熱を取り入れて暖かく、夏は外の熱を遮ることで涼しい室内環境を実現できます。室温が安定することで、日々の暮らしがより快適になるはずです。

健康的に暮らせる

喘息やアレルギーの原因となる、室内の寒暖差を抑えることで、身体への負担を減らせます。とくに冬場は重大な健康被害にもつながる「ヒートショック」リスクの低減に有効です。

環境への負荷を減らせる

エネルギー消費量を減らすことで、CO₂排出量の削減に貢献できます。さらに、太陽光発電などの再生可能エネルギーと組み合わせれば、より環境にやさしい住まいを実現することが可能です

パッシブデザイン住宅の注意点

設計時に気をつけたいポイント

パッシブデザイン住宅は、建物の立地条件やライフスタイルに合わせて設計することが大切です。日照時間や日射量は地域により大きな差があり、周辺環境によって陽当りや風通しが遮られるケースもあります。また、窓の配置によって間取りやデザインに制約が生じる場合もあるため、生活シーンを具体的に想像しながら慎重にプランニングしましょう。

建築会社の選び方

パッシブデザインには専門的な知識と設計力が求められるため、豊富な実績とノウハウを持つ建築会社に依頼することが大切です。自然エネルギーを最大限に活かした住まいを実現するには、信頼できるパートナー選びがカギとなります。

無理のない予算を立てる

パッシブデザイン住宅は気密性・断熱性を高めるために、一般的な住宅よりもコストアップする可能性があります。無理なく満足度の高い家を建てるためには、住まいに求める条件の優先順位を明確にして、予算の範囲で取り入れるようにしましょう。なお、現在のところパッシブデザイン住宅を対象とした補助金制度はありませんが、一定の省エネ要件を満たせば他の制度を利用できる可能性があります。

関連記事:最大160万円補助、2025年「子育てグリーン住宅支援事業」とは?

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まとめ:パッシブデザインでかなえる、自然と調和する暮らし

自然の力を活かして心地よく暮らすパッシブデザイン住宅は、経済的にも環境的にもやさしい、サステナブルな選択肢。太陽光発電システムや省エネ設備と組み合わせれば、さらに効果が高まります。パッシブデザインに関心をお持ちの方、環境に優しい家づくりをしたい方は、専門家の詳しいアドバイスを聞いてみませんか?ウィザースホームでは省エネセミナーやプラン相談会を実施しています。無料でご参加いただけますので、お気軽にお問い合わせください。

 

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