近年の電気料金の高騰や、将来的なエネルギー供給の不安から、太陽光発電システムへの関心が高まっています。2025年4月から、東京都と神奈川県川崎市では、新築住宅への太陽光パネル設置が原則義務化されました。そもそも、太陽光発電は本当にお得なのでしょうか?太陽光発電を導入するおもな理由には、「電気代の削減」「防災」「環境負荷の軽減」がありますが、この記事では電気代の観点に注目して、太陽光発電の効果や注意点を解説します。
この記事のポイント
- ・太陽光発電システムで、電気代高騰リスクから家計を守れる。
- ・買電単価よりも売電価格が低いため、発電した電気は自家消費がお得。
- ・高断熱住宅・省エネ設備と組み合わせれば光熱費を大きく抑えられる。
太陽光発電システムとは?
太陽光発電システムの仕組みを大まかに確認しておきましょう。まずは屋根や屋上などに設置した太陽光パネルで、日光のエネルギーから直流電力を作り出し、つぎにパワーコンディショナという機器で、家庭で使える交流電力に変換します。
太陽光発電のメリット
- ①発電コストゼロ:エネルギー源が太陽光のため燃料費がかかりません。
- ②CO₂排出ゼロ:発電時、環境負荷になる二酸化炭素を排出しません。
- ③非常用電源になる:日中なら停電時にも発電でき、蓄電池があれば夜間も電気が使えます。
関連記事:太陽光発電システムを住宅に設置する場合のメリット・デメリット
太陽光発電で電気代はお得になる?
電気を自給自足できる
発電した電気を自家消費すれば、電力会社から購入する電力量を減らせます。電気料金は【基本料金】+【電力量×単価】で決まるため、使用量が減れば電気料金は安くなります。
電気の単価を下げられる
電力会社が提供する契約プランのなかで最も一般的なものが、従量電灯プランです。このプランは電気の使用量が増えると、段階的に単価が高くなることが特徴。そのため、太陽光発電を使用することで電力会社から購入する電気の量を減らせば、1kWhあたりの平均単価を抑えられます。
再エネ賦課金の値上げ対策になる
再エネ賦課金(再生エネルギー発電促進賦課金)とは、太陽光発電による電力を電力会社が買い取るための費用を、全国の消費者が負担する仕組みです。年々値上がり傾向が続いており、2025年度は1kWhあたり3.98円に引き上げられました。再エネ賦課金は、毎月の電力使用量に応じて加算されます。そのため、自家消費により購入する電力量が減れば、賦課金の負担を軽減できます。
参考サイト:再エネ賦課金、標準家庭で月196円負担増 25年度から│日本経済新聞
電気代高騰のリスクに備えられる
電気料金には、発電所の燃料費が含まれています。この費用は「燃料費調整単価」として、国際的な原油・LNG(液化天然ガス)・石炭価格や為替レートに応じて毎月見直されるため、変動しやすいコストです。国際情勢の緊迫化や円安が進むと燃料価格はさらに上がり、電気代が高騰する可能性があります。そこで、太陽光発電の自家消費により購入電力量を減らせば、変動費の影響も軽減できるでしょう。
太陽光発電は自家消費がお得!
売電価格は年々下落している
太陽光発電の自家消費しなかった電気は「固定価格買取制度(FIT制度)」により、10年間同じ価格で電力会社に売却できます。売電価格は、太陽光パネルの普及と製造コストの低下に伴い下落しており、今後も下がる見通しです。
売電よりも自家消費がお得
下記表は、電力会社から購入する電気代の目安と、FIT制度における買取価格の比較です。2025年下半期からは「初期投資支援スキーム」が導入され、最初の4年は24円、5〜10年は8.3円となります。
出典:再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2025年度以降の買取価格等│経済産業省
このように、購入する電気の単価は売る電気よりも高額。余剰電力を電力会社に売るより、自家消費したほうが経済的メリットが大きいのです。また、売電価格が高かった時期には大容量の太陽光発電システムを導入し、売電収益を最大化するという選択肢も多く見られました。しかし近年の売電価格をふまえると、今後は自家消費をまかなえる程度を目安とした搭載量にしても良いかもしれません。また、補助金制度の要件によっては、太陽光発電システムの搭載量に応じて助成金額が変わる場合があるため、コストのバランスをみながら検討しましょう。
日中に家にいない場合は蓄電池がおすすめ
家族が日中家にいない家庭では、せっかく発電した電気をその場で消費することができません。そこで役立つのが蓄電池です。昼間に貯めた電気を夜間に活用できるため、太陽光発電を自家消費に活かせます。また、停電時の非常用電源としても機能するため、日中家にいる家庭にもおすすめです。
実際にどれくらい節約できる?電気代シミュレーション
それでは太陽光発電システムを採用すると、どれくらいの光熱費節約が期待できるのでしょうか?下記表は、標準的な家庭における電気代のシミュレーションです。年間約25万円の電気代を、約17万円に抑えることができます。

※設置容量3.52kW、年間予測発電量4,388kWh/年を設定。電気料金は千葉県の使用量パターンを元に想定。電力会社の電気料金は東京電力スマートライフLプラン、2024年6月のデータから算出しています。
太陽光発電を採用する際の注意点
太陽光発電のみで電気代ゼロは難しい
太陽光発電は天候・季節に大きく左右されるため、夏場の晴天日は発電量が伸びる一方、日照時間が短い冬場や雨天時には発電量が減少します。蓄電池で電気を貯めても、冷暖房や給湯などを多く使う季節には電力量が追いつかない場合もあるでしょう。そのため、太陽光発電ですべてをまかない、電気代をゼロにするのは難しいです。高断熱・高気密住宅や省エネ家電と組み合わせて、総合的にエネルギーコストを抑えることが、電気代をゼロに近づけるカギになります。
補助金制度の活用
太陽光発電システムの導入費用を抑える方法のひとつが、国・自治体による補助金制度の活用です。例えば東京都の「東京ゼロエミ住宅普及促進事業」では、要件を満たせば最大240万円(太陽光発電に関しては最大39万円)の補助が受けられます。補助金制度の内容は年度ごとに見直されるため、確実に利用するためには最新情報を収集しましょう。
関連記事:【令和7年最新】東京ゼロエミ住宅の補助金はいくら?新基準を解説
ウィザースホームなら太陽光発電システムが標準仕様
ウィザースホームでは、太陽光発電システムが全棟で標準仕様。お求めやすい価格で提供しているため、初期投資を抑えて家計にも環境にも優しい住まいを実現できます。
まとめ:太陽光発電システムで光熱費をお得にしよう
エネルギー価格の先行きが読めない昨今、光熱費を抑える有効な方法のひとつが太陽光発電システムです。発電した電気を自家消費すれば、電力会社から購入する電気の量を減らし、家計を節約できます。光熱費を抑えた家づくりを検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。ウィザースホームで、エコでお得な家づくりを実現しませんか?