インテリアの構成要素のひとつとして欠かせないもののひとつが、照明です。
おしゃれな家具を部屋に置いたのに、雰囲気の良いお店やホテルのような印象にならない…。そう感じるならば、照明を見直したほうがいいかもしれません。
心地よい住まいづくりのための照明計画のポイントや注意点を知っておきましょう。
照明器具のおもな種類
ダウンライト
「ダウンライト」は、天井の窪みに埋め込むようなかたちでライトを設置する照明です。機器としての存在感があまりなく、すっきりとした印象になります。トイレやクローゼットなど、狭い空間でも圧迫感がありません。
1灯ごとの光量が比較的少なく、空間の広さやライトの収まりに応じて複数台設置するのが一般的です。60W相当(約810ルーメン)のダウンライト1灯あたり、約1.3畳の広さが目安となります。
ペンダントライト
「ペンダントライト」は、天井からチェーンやコードで吊り下げるタイプの照明器具です。光源が低くなるため、天井付けの照明器具に比べて光の届く範囲が狭くなります。
目に入りやすく存在感があるため、インテリアの構成要素としても扱いやすい照明器具です。小型のペンダントライトを等間隔で並べれば整然とした印象になり、高さを変えて設置すればリズミカルな印象を演出することができます。
ブラケットライト
「ブラケットライト」は、壁に設置するタイプの照明。天井付けの照明のように部屋全体を照らすことはできないため、リビングなどの広い空間では補助照明として用いられるのが一般的です。廊下や階段などのほか、玄関ポーチやバルコニーといった屋外照明で多く採用されています。
スポットライト
「スポットライト」は、光の範囲を狭くすることでピンポイントに照らす照明器具です。方向や角度を変えることができ、壁に飾った絵画や棚のオブジェなど、対象物を浮かび上がらせるようにしてドラマチックに演出することができます。
こちらの画像は天井付けタイプのスポットライトですが、壁付けタイプや、スタンドタイプなどもあります。
フットライト(足元灯)
「フットライト」は、低い位置に設置して足元を照らす照明器具です。床に近い壁のほか、造作家具の下側などに設けることもあります。
高い位置の照明は眩しすぎるけれど、足元の安全を確保したい場所に適しています。寝室や廊下、トイレなどに設置されることが多いです。
間接照明
「間接照明」は、光源が直接見えないように配置され、天井や床などに光を反射させて周囲を明るくするタイプの照明です。光源が見える「直接照明」に比べて、やわらかく光が広がります。
間接照明のなかでも、建物の構造に組み込んだ照明を「建築化照明」といい、さらに天井を照らす「コーブ照明」、壁を上から照らす「コーニス照明」などの様々な手法があります。
照明計画と空間演出のポイント
複数の照明を組み合わせる
天井付けの照明で部屋全体を明るくしすぎると、空間がのっぺりとした単調な印象になってしまいます。複数の照明器具を組み合わせて明るさにメリハリをつけることで、光と影による立体的な空間演出が可能です。
場面に合わせて照明の種類を決める
そこでどのように過ごすかを想定しながら照明計画を立てましょう。効率的に仕事や作業をする場所、リラックスして過ごす場所、美味しい食事を楽しむ場所、といった空間の使用目的や過ごし方に合わせて、それぞれのシーンに適した照明器具を選ぶことができます。
照明の色温度と効果
屋外と室内で、洋服や肌の色が違って見えると感じたことはありませんか。これは、太陽光と照明器具の「色温度」が異なるために起きる現象です。「色温度」とは、光の色合いを示す尺度で、単位「K(ケルビン)」で示すことができます。
ケルビンの数値が低いほど暖色系の光、数値が高くなるほど青みを帯びた光になり、おもに5種類に分けることができます。照明器具の製品表示に色温度が記載されているので、選ぶ際の参考にしましょう。
電球色:〜約3,000K
従来の白熱電球のような、オレンジや赤みのある暖かな印象の光です。朝日や夕日、ろうそくの光などもこの色温度になります。落ち着いた印象を演出することができ、あまり明るさを必要としない空間に適しています。
温白色:約3,500K
電球色よりも白っぽい光です。温かみを感じさせつつ、明るさを確保したい場所に適しています。食べ物を美味しそうに見せることができます。
白色:約4,200K
やや黄色がかった、自然な印象の光です。昼白色では明るすぎると感じる作業や、読書などの場面に適しています。
昼白色:約5,000K
少し青みがかった、昼間の太陽光に近いさわやかな色の光です。細かいものもくっきりと見えやすいため、集中したい仕事や作業の場面に適しています。
昼光色:約6,500K
5種類のなかで最も明るく、青みがかった光です。大規模ショッピングモールや公共機関の照明に使用されています。長時間見ていると、目が疲れることがあります。
部屋ごとの照明計画のコツ
リビングの照明
リビングの照明は、子どもが楽しく安全に遊べる空間にしたいなら温白色、大人っぽい落ち着いた空間にしたいなら明るさを抑えた電球色の照明器具がおすすめです。メイン照明と補助照明を組み合わせることで空間にメリハリを付ければ、リビングの奥行きや広さを強調することができます。
キッチンの照明
キッチンには、温白色から昼白色の照明器具がおすすめです。手元の照明を昼白色にすると、食材本来の色を確認しやすくなります。
洗面室の照明
着替えやメイクをする洗面室の照明器具は、昼白色がおすすめです。自然光に近い色温度のため、「外で見たら印象が違う」といった事態を防ぐことができます。
寝室の照明
寝室の照明は、リラックス効果のある電球色がおすすめです。就寝前には明るさを抑えたテーブルランプやフットライトのみで過ごすと、眠りにつきやすくなります。
照明の効果を変えられるライトコントール
近年は広々としたLDKを中心とした住まいが主流になっており、食事をしたり、勉強をしたり、くつろいだり…多くの時間を同じ空間で過ごすようになりました。そこで、おすすめしたい機能がライトコントロールです。シーンに応じて照明の明るさやバランスを切り替えることで、空間の雰囲気を一変することができます。
まとめ
照明器具の種類や色温度の特徴、選び方をご紹介しました。光の演出効果により、お部屋の雰囲気はぐっと変わります。
照明の効果を知りたければ、実際に体験してみるのがいちばん。 モデルハウスに足を運んで、ライトコントロールを試してみませんか?