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2025.12.25

【実例5選】平屋が人気の理由は?間取りのコツとメリット・デメリットを解説

目 次

「平屋(ひらや)」は、一階建ての住宅のこと。新築戸建といえば二階建て、というイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし近年の注文住宅では平屋住宅の割合が増えているんです。この記事では、平屋が選ばれている理由を整理しながら、間取りの考え方や住まいづくりのポイントを解説します。

平屋が人気を集めている背景

平屋の人気の高まりは、暮らし方や価値観の変化と深く結びついています。ここでは、平屋が支持を集めている背景を見ていきましょう。

平屋の着工割合は年々増加

国土交通省発表の統計によると、新築戸建住宅における平屋の棟数および割合は増加傾向にあります。平屋率は2015年には約8%でしたが、2024年には約17%となり、じつに10年で2倍以上に増加しました。

防災意識の高まり

近年頻発する地震や台風などの自然災害を背景に、住宅の安全性を重視する人が増えています。平屋は建物の重心が低いため耐震性に優れています。また、二階部分がないことで風の影響を受けにくく、台風時のリスクを抑えられるのも安心材料のひとつです。構造的な安定性が、防災意識の高まりとともに平屋の評価を高めています。

シンプルでコンパクトに暮らしやすい

かつては「家は大きい方が良い」という価値観が主流でしたが、近年は「必要な広さで無理なく暮らす」というライフスタイルの人気も高まっています。日本の平均世帯人数が年々減少していることも、生活動線が短く管理しやすい平屋が注目を集めている要因のひとつでしょう。平屋はミニマル志向の暮らしを実現しやすく、子どもが独立したシニア層の建て替えや共働き世帯の家事時短のニーズとも相性が良いです。

平屋の建築実例5選

【実例1】L字の敷地を活かした平屋

L字型の敷地を活かした平屋住宅です。太陽光発電システムや耐震ダンパーを導入し、ランニングコストと防災面にも配慮しています。

リビングは、勾配天井と間接照明で空間の広がりを演出。ベージュを基調としたナチュラルなトーンでまとめ、天井は木目調クロスで木に包まれるような温かみのある雰囲気に仕上げました。

【実例2】ホテルライクな平屋

ゆとりある敷地を活かした平屋住宅。家事や子育てが効率的に行える、回遊動線の住まいです。

ダイナミックに広がる約25帖の吹き抜けリビングに、3連の高窓から眩しいほどの自然光が差し込みます。インテリアはモノトーンでまとめ、ホテルライクに仕上げました。

【実例3】小上がりリビングの平屋

家事動線にこだわった平屋の住まいです。外観はスクエアの要素と片流れ屋根のシャープなラインを組み合わせてスタイリッシュな印象に。

フロアを2段上げることで「おこもり感」を演出したくつろぎのリビング。段差に腰掛けることもでき、家族が集まり思い思いに過ごすことができます。

【実例4】中庭を囲む平屋

広々とした敷地を活かした平屋。外からの視線をずらしプライバシーを守るため、基礎を上げて住まい全体を高くしました。

住まいの中心に中庭テラスを据え、どこにいても家族がお互いを感じながら暮らせるように。壁で囲まれているため、安心してお子様を遊ばせることができます。

【実例5】安心して暮らせる平屋

築50年余りの家を平屋に建て替えた実例です。ご高齢のお母様が安心して暮らせるよう廊下の幅を大きく取り、玄関にスロープを設けました。

空間の広がりを感じられる、勾配天井のリビング。テレビ背面にエコカラットを貼り重厚感を演出しました。ワンフロアの二世帯同居ですが、お互いの寝室にほどよい距離感を設けてプライバシーに配慮しています。

平屋のメリット

平屋には、日々の暮らしを快適にするさまざまなメリットがあります。

家事動線がコンパクトになる

平屋は生活空間をすべてワンフロアに集約できるため、上下階の移動がなく家事動線を短くまとめやすいです。キッチンやランドリールームを近くに配置することで、日常の家事が効率的に行えます。家事にかかる移動や負担を減らしたい共働き世帯にもおすすめです。

コミュニケーションを取りやすい

平屋は居室が上下に分かれていないため、空間の連続性を重視した住まいづくりに向いています。居室同士の距離が近く、LDKを中心とした家族の気配をいつも感じられるような間取りにしやすいです。ワンフロアで暮らしが完結するためマンションからの住み替えにもなじみやすく、子育て世帯は子どもの様子に目が届く環境を整えやすいです。ワークスペース等を設ける場合は、音や視線を適度に遮る工夫を取り入れると良いでしょう。

バリアフリー設計しやすい

平屋は階段がなく、マンション同様にワンフロアで暮らしが完結します。階段の踏み外しや転落リスクがなく、段差のないバリアフリー設計にしやすいため、お年寄りや体が不自由な人も暮らしやすい住まいづくりに向いています。プレシニア世代であれば、将来を見越し介護しやすい動線や介助スペースの確保を意識した間取りにしておくと、ライフステージが変わっても安心して暮らし続けることができます。

メンテナンス費用が抑えられる

二階建て以上の建物では、外壁や屋根のメンテンナスの際に足場を設置する必要があり、組み立て・解体・運搬費用がかかります。平屋であれば足場なしの施工も可能で、その分のコストを抑えることができ工期も短くなります。工事の内容によっては平屋でも足場が必要なケースがありますが、二階建てに比べると安価です。平屋は長期的な視点で住まいの維持費を抑えたい人に向いています。

平屋のデメリット

平屋には注意しておきたいポイントもあります。土地の条件や間取りの工夫によって解消できるケースも多いため、デメリットを理解したうえで計画することが大切です。

広い敷地が必要

平屋は二階フロアがない分、どうしても住まいの規模がコンパクトになりやすいです。二階建て住宅と同等以上の床面積を確保するためには、広い敷地が必要になります。駐車スペースや庭を確保したい場合は、全体のバランスを考えた土地選びが必要です。特に市街地では敷地の確保が難しいケースもあります。

坪単価が割高になる

住宅を建てる際には、建築面積(一般的に1階の広さ)に応じて地盤調査や基礎工事の費用が掛かります。2階部分にはそれらの工事費用が掛からないため、1階に比べてコストは割安です。平屋は1階のみで構成されることから、床面積のすべてに基礎工事の費用が掛かり坪単価は割高になります。一方で、平屋は空調の効率が良く、高断熱・高気密の恩恵を受けやすいという側面もあります。間取りを工夫し空間を無駄なく活用することで、トータルのコストバランスを取ることが可能です。

関連記事:冬も暖かい家、高気密・高断熱住宅のメリット・デメリットを解説

日当たりが悪くなることがある

平屋は建物が低いため、住宅密集地などで周囲に建物がある土地では、住まい全体の日当たりが悪くなってしまうケースも。その場合、天窓や高窓を設けたり、L字型・コの字型の間取りにしたりすることで、採光を確保することができます。土地の条件に合わせた間取り計画が快適な平屋づくりのポイントです。

収納量が不足しやすい

平屋は2階がないため納戸や小屋裏収納などの大型収納を確保しにくく、収納量が不足しやすい傾向があります。ウォークインクローゼットやシューズクローク、パントリーなどを効果的に配置し、暮らしに合った収納計画を立てましょう。

まとめ:平屋はマンション派にもおすすめ

ゆったりとした空間づくりがしやすい平屋住宅。階段を昇り降りする必要がないため、生活動線をコンパクトにすることができます。階段がなくワンフロアで暮らしが完結することから、バリアフリー設計にも向いています。戸建てからマンションへの住み替えをお考えであれば、平屋住宅も選択肢に加えてみてはいかがですか?「自分たちの暮らしに合う平屋が建てられるのか」「どんな間取りが向いているのか」など、気になることがあれば、まずはお気軽にご相談ください。

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