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2024.02.03

猫と暮らす家づくり、快適な暮らしのアイデアや間取りのコツ

目 次

大きな目としなやかな体、ぷにぷにの肉球。
猫のために家を建てたい!という方も多いのではないでしょうか?
人も猫も快適に暮らすためには、猫の習性を理解することが大切。この記事では、家づくりの間取りのコツやアイデアをご紹介します。

完全室内飼いがスタンダード

かつて猫は外飼い(放し飼い)が一般的な時代もありましたが、現在は完全室内飼いが推奨されています。完全室内飼いにすることで、糞尿や鳴き声による近隣トラブルを防ぎ、虐待・交通事故・感染症といったリスクから愛猫を守ることができます。ペットフード協会の調査によると、完全室内飼いの猫の平均寿命は16.22歳で、外飼い猫の13.75歳に比べて2.47歳長生きだそうです。
参考:令和3年 全国犬猫飼育実態調査│(社)ペットフード協会
https://petfood.or.jp/data/chart2021/

猫と暮らす家の間取りのコツ

縦を意識して運動不足を解消

室内飼いの猫がしっかりと運動できるよう、猫の動線を確保しましょう。祖先が木登りをして暮らしていたこともあり、猫は高いところが好きで、小さなステップでも身軽に上っていきます。横方向よりも縦方向を意識すれば、それほど広さがなくても大丈夫です。住まいのデザインに溶け込んだキャットタワーやキャットウォーク、吹き抜けを活かした猫専用階段、猫の足場を設けた兼用本棚などを設置してあげたいですね。

日当たりの良い居場所をつくる

猫は日向ぼっこが大好きなので、日当たりの良い場所に猫の居場所を作ってあげましょう。また、窓から外を眺めるのも大好きです。高窓には猫が上れるステップを設けて、いつものんびりと外を眺めることができるようにするのもおすすめです。

脱走対策はしっかりと

玄関で宅配便の受け渡しをしたり、バルコニーで洗濯物を干したりするときに、猫が脱走してしまうことがあります。特に、野良生活をしていたことがある保護猫や、好奇心が強い性格の猫は外に出たがる傾向が強いので要注意です。勢いで飛び出したところパニックになり、そのまま迷子になってしまうこともあります。
外につながるドアや窓の間に、扉を設けると安心です。猫はジャンプ力が高く、人間の身長ほどの壁を駆け上がったりよじ登ったりすることもできます。天井までの高さが必要です。格子扉なら、空気の流れを遮らずに間仕切りができます。

猫が入れない空間を設ける

猫それぞれの性格にもよりますが、基本的にしつけることはできません。猫の知能は人間の3〜6歳ほどに相当すると言われています。決して知能が低いわけではないのですが、犬のように群れを作らない単独行動の動物なので、そもそも人間に従う気があまりないのです。
いくら「ダメ」と言われても、棚に飾られている物を片っ端から落としたり、衣類を毛だらけにしたりすることがあります。そのため、猫の性格と飼い主さんのライフスタイルによっては、仕事場やウォークインクローゼットなど、住まいのなかに猫が入れない空間の確保を検討しても良いでしょう。近年は、リビング・ダイニングと一体のオープンキッチンの間取りが主流ですが、あえて独立キッチンにするという選択肢もあります。
猫は手先が器用なため、一般的なレバーハンドルのドアや引き戸は簡単に開けてしまうことも多いです。猫に入ってほしくない場所のドアには、握り玉タイプのドアノブ、押して開けるワンタッチドアハンドル、簡易型の鍵などの採用を選択肢に加えてみてください。

トイレの場所と換気計画

猫が落ち着いて用を足せる場所に、トイレ置き場を確保しましょう。 猫は待ち伏せ型の狩りをする動物のため、体臭はほとんどしませんが、排泄物はとても臭うためトイレの換気計画が大切です。居住スペースにトイレの臭いが広がらないよう、低い位置に換気扇を設けるのがおすすめです。また、すぐ側に収納を設ければ、掃除道具やかさばる猫砂のストックをしまっておくことができます。

猫と暮らす家は人間もラクに

内装材は掃除のしやすさを重視

猫は比較的吐き戻しが多い動物のため、床材は水分に強く掃除がしやすい素材がおすすめです。また、春と秋は毛が生え変わる換毛期で、抜け毛が多くなります。床の段差や引き戸のレール等に溜まりがちなため、フラットなバリアフリータイプがおすすめです。
※頻繁に吐く場合や吐瀉物の様子が普段と違う場合は、すぐに動物病院に相談してください。

隠す収納を多く設ける

猫の性格や年齢にもよりますが、オープン棚はキャットステップになりがちです。そのため、いたずら対策・抜け毛対策として、扉付きや引き出し等の隠す収納がおすすめになります。コレクションを並べて飾りたい場合は、ガラス扉のショーケースタイプを設けると安心です。

爪とぎ対策を考える

猫が狩りに欠かせない爪を鋭く保つために、壁や家具を引っ掻いて爪とぎをします。本能なのでやめさせることはできませんから、爪を研いでも良い場所を用意してあげましょう。キャットタワーの一部に荒縄やカーペット素材を巻きつけて爪とぎ仕様にしたり、猫がよく過ごす場所の壁に市販の爪とぎを設置したりします。爪とぎはいずれボロボロになるので替えられるようにしましょう。
そのほか、どうしても爪を研いでほしくない場所の壁には、爪が立たない素材で腰壁を作るという選択肢もあります。

ペットドアをつける

ドアの向こうで鳴くので開けてあげたのに、部屋に入ったと思ったらまたすぐに出ていきたがる…家じゅうの開けっ放し…猫との暮らしでよくある光景です。ドアや壁に猫専用のペットドアを設ければ、人間がその都度ドアを開け閉めしなくても、自由に出入りすることができます。

暖かな家は人も猫も快適

猫は、尿路結石症や膀胱炎などの泌尿器系疾患にかかりやすいです。 祖先が砂漠地方の出身のため、冷えに弱い傾向があります。寒くて運動量が低下する、飲む水の量が減る、トイレが寒いので排尿を我慢する、といった要因が病気につながりやすいです。住まいを暖かく快適にすることは、人間だけではなく猫の健康にも良い影響があります。

猫と暮らす家の事例紹介

実際に、猫と快適に暮らすために建てた家の実例をご紹介します。こちらは、愛犬2匹・愛猫4匹とともに暮らすご夫婦の住まい。壁面のキャットステップや梁を利用したキャットウォークなど、猫が楽しく暮らせる工夫が随所に盛り込まれています。

まとめ

猫はとても気まぐれ。人間の心を知ってか知らずか、爪とぎ対策をしたのに相変わらずソファでも爪を研ぐ…キャットタワーよりも本棚で寝ていることが多い…そんなこともあるかもしれません。でも、そんなところも猫の魅力。猫の安全や健康を損ねないわがままなら、ある程度は受け入れる気持ちも大切です。快適な住まいで、猫との暮らしを楽しみましょう。

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