「住まいづくりで後悔・失敗した場所として多く挙げられる場所のひとつが「外構・エクステリア」です。どのような問題があるのでしょうか?よくある失敗例を確認してみましょう。押さえておきたいおすすめポイントも解説します。
新築住宅の外構・エクステリア工事とは?
「外構」は建物外の構造物(門扉、ポスト、フェンスなど)を指し、「エクステリア」は建物を取り巻く空間全体を意味する言葉ですが、実際にはどちらも同じような意味合いで使用されています。外構・エクステリアは住まいの第一印象を左右する場所にもかかわらず、新築住宅のプランニングをするとき、つい後回しにしてしまいがちな場所でもあります。
外構・エクステリアの設備
ファサード
ファサードとは、一般的に「建物の正面」を指す言葉です。外構・エクステリアでファサードといえば、門まわりから玄関アプローチ、フェンス、駐車スペースなどを含んだ全体的なデザインを指します。住まいの印象を決める部分です。
アプローチ
アプローチとは、敷地の境界や門から玄関にかけての道のりを指します。毎日行き来する場所のため、デザインはもちろんですが安全性や防犯性も大切です。
駐車場
駐車場には、地面をアスファルトやコンクリートで舗装した「オープンタイプ」、屋根を設けた「カーポートタイプ」、三方を壁で囲んだ「ガレージタイプ」があります。
塀
外構・エクステリアに塀を設けることで境界をはっきりさせたり、目隠ししたりすることができます。フェンスと組み合わせることも多いです。
フェンス
フェンスは、視線を完全に遮らないため塀よりもゆるやかに目隠しすることが可能です。フェンスの高さや種類、角度により目隠しの度合いが変わってきます。
ポスト・インターホン・表札
宅配便や来客を迎えるために欠かせない設備です。近年は不在時にも荷物を受け取ることができる宅配ボックスを併設したタイプも人気があります。
植栽
植裁(しょくさい)とは、植物の植え込みのこと。無機的な建物と緑のコントラストが住まいを美しく演出し、四季による変化や成長が楽しめます。植裁で塀のように外構を囲むことを生け垣といいます。
エクステリアライト・照明
エクステリアライト(照明)は、外構を美しく演出するほか、防犯効果も期待できます。暗さに応じて自動的に点灯・消灯するタイプや、動きに反応する人感センサータイプなどがあり、目的に応じた製品を組み合わせて設置するのがおすすめです。
デッキ(ウッド・タイル)
外構に面する窓際にデッキを設ければ、お子さまやペットの遊び場や、洗濯物を干す場所などにすることができます。近年は室内の床とフラットにつなげることで、リビングの延長として活用するプランが人気です。
外構・エクステリアの失敗・後悔ポイント
外構・エクステリアづくりで後悔しないために、よくある失敗パターンを確認してみましょう。
予算が足りなくなった
注文住宅を建てるとき、まずは建物のプランニングが優先になり、外構のことはつい後回しにしてしまいがちなもの。当初の見積もりから外構の項目を外してしまう方も珍しくありません。そのため、外構をプランニングする段階になってから費用が意外とかかることを知り、予算が足りなくなってしまうことがあります。
時間がなく急いで決めてしまった
注文住宅を建てるには、決めなければならないことがたくさんあるため、外構のプランニングを一番後回しにすると「時間もないことだし、まあ良いか」と、あまり吟味せずに外構プランを決めてしまうことがあります。妥協した外構でも、完成すれば何年も使うことになるもの。「家は良いけど、外構がイマイチ…」と思いつつ過ごすのは勿体ないですよね。
庭の管理が思ったよりも大変
無機質な建物を彩る緑豊かな庭…美しい外構を維持するためには、定期的な樹木の剪定や、雑草むしり、芝生の刈り込みなどが欠かせません。ガーデニングが趣味の方や、メンテナンスが苦でない方であれば問題ありませんが、「庭の管理が面倒」という声は多いもの。外構が完成したときの美しさだけでなく、維持しやすいかどうかも考えておきましょう。
動線が悪く使いにくい
住まいをプラニングする際には動線の良さや安全性が大切ですが、外構の場合も同様です。デザイン性だけにこだわって決めてしまうと、例えば「車に乗るときに遠回りをしなければならない」「ポストが玄関から遠く、雨の日には傘が必要」といった不便が生じる場合があります。そのほか、「段差が大きく危険」「雨の日に滑りやすい」「夜は足元が真っ暗」など、安全性に問題がないかも注意したいポイントです。外構をどのように使うか、できるだけ具体的に想定しながらプランニングしましょう。
新築と外構・エクステリア工事を同時設計するメリット
外構・エクステリアのプランニングは後回しせずに、新築住宅の設計と同時に進行するのがおすすめです。
建物と外構を合わせてプランニングできる
建物とエクステリアの設計を同時に行うことで、デザインや機能を補完することが可能です。例えば、建物をシンプルにして植裁やフェンスをデザインのアクセントにする、窓を大きくしつつ植栽で目隠しにする、といったプランニングができます。
水栓やコンセントが設置しやすい
植物の水やりや洗車に使用する水栓や、掃除などに便利な屋外コンセントは新築時に設置しておきましょう。これらの設備を後付けしようとすると、建物の配置によっては希望の位置に設置できない場合もあるためです。
予算のバランスを考慮できる
新築住宅と外構を同時設計することで、予算をバランスよく配分できるため、「建物は立派なのに外構は間に合わせで安っぽい」といった事態を防ぐことができます。
まとめ:外構・エクステリアの工事は早めの検討がおすすめ
外構・エクステリアづくりで失敗する原因は、プランニングを後回しにすることです。予算が足りなくなったり、時間を掛けられなくなったりしてしまいます。「動線が悪く使いづらい」「デザインがイマイチ」などの後悔を防ぐためには、早めの検討がおすすめです。予算をバランスよく配分し、住まいと調和する外構・エクステリアを設計することができます。