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2024.02.10

2階リビングのメリット・デメリットは?間取りのコツを実例で解説

目 次

注文住宅を建てるとき、1階にはLDKや水まわり、2階には寝室や子ども部屋を配置する間取りが定番です。もしプランニングにお悩みであれば、思い切って2階リビングにするアイデアはいかがですか?この記事では、2階リビングのメリットやデメリット、間取りのポイントを建築事例とともにご紹介します。

2階リビングのメリット

2階リビングのさまざまなメリットを、建築事例とともに解説していきます。

日当たりが良く明るい

住宅密集地などにあり隣家が近接する住まいでは、「1階が日中でも暗い」というお悩みは珍しくありません。2階リビングなら窓から自然光が入りやすいため、いつも明るい空間を実現できます。日当たりが良ければ昼間は照明を点灯する必要がなく、光熱費の節約にも繋がるでしょう。冬場は日差しを最大限に取り込むことで部屋が暖まり、心地よく過ごすことができます。

こちらのお住まいは、広々としたルーフバルコニーに面する2階リビングです。大開口の窓からたっぷりと光が差し込み、大理石床の美しい模様を照らし出しています。

窓からの眺望が良い

2階リビングでは視線が高くなり、窓からの風景をより一層楽しめるようになります。また、隣家の壁から距離を取れるため風通しも良くなり、開放的なプランをつくりやすいです。

こちらの事例では、2階リビングの正面にウッドデッキのインナーバルコニーを設けました。窓を開け放てば、室内とひとつづきの開放的な空間に。向こうに見える街路樹の緑が借景となり、暮らしを彩ります。

プライバシーを守りやすい

2階にリビングを配置することで、道路や隣家からの距離を確保することが可能です。通行人からの視線や話し声、隣家の生活音などが届きにくくなるため、プライバシーを守りやすくなります。

こちらは、壁いっぱいに窓を設けた2階リビングの事例です。室内のすみずみまで光が行き届くよう、間仕切り壁を最低限にとどめています。3方が道路に面する敷地ですが、2階リビングのため通行人の視線は気になりません。

空間利用の自由度が高い

2階リビングの天井は、上階への影響を考慮する必要がないため、プランニングの自由度が高くなります。天井高を上げやすいほか、勾配天井にしたり、天窓を付けたりすることもでき、開放感のある空間づくりがしやすいです。

こちらの事例では、当初1階に吹き抜けのLDKを検討していましたが、2階LDKへとプランを変更。屋根の形状を活かした勾配天井とロフトを設け、伸びやかな大空間を実現しました。

2階リビングのデメリット

階段の昇り降りが負担になることがある

2階にリビングを設置すると、必然的に階段の使用頻度が増えます。慣れてしまえばそれほど気にならなくなる方が多いですが、住む人の健康状態や年齢によっては負担が大きい場合もあります。家族にお年寄りがいる場合は、ホームエレベーターの設置を検討するのもひとつの方法です。

家族の気配を感じにくくなることがある

1階に子ども部屋、2階にリビングを配置すると、子どもが出掛けたり帰宅したりする際の気配を感じにくくなるかもしれません。家族の気配や声を伝わりやすくする間取りの工夫としては、「子ども部屋を2階に配置する」「玄関部分を吹き抜けにする」といった方法があります。

夏場は暑くなりやすい

さきほどメリットの項目で「冬場の2階リビングは暖かい」とご紹介しました。これは裏を返せば「夏場は暑くなりやすい」ということでもあります。夏場の冷房の効きを良くし室温の上昇を防ぐためには、住まいの断熱性が重要です。屋根裏や壁にしっかりと断熱材を入れ、窓は遮熱性能の高い製品を選ぶことで、夏涼しく冬暖かい住まいにすることができます。

庭を活用しにくくなる

2階リビングの家では、1階で過ごす時間が短くなるため、庭を活用しにくくなります。ただしこれは、もともと庭が確保できない家であれば、特に問題のないポイントとも言えるでしょう。2階リビングでは、バルコニーを庭代わりに使えるようなプランニングも人気があります。

2階リビング、間取りづくりのヒント

大型家具や家電の搬入経路を考える

2階にリビング(LDK)を設ける場合、ソファやテーブル、大型家電といった、かさばるアイテムが多く配置されることが予想されます。特に冷蔵庫や大型テレビなどは、どのような経路で新居に運び込むかを考慮することが大切です。階段の幅や折返しの広さ、吹き抜けの形状などから、大型家電・家具をスムーズに搬入することが可能かどうかを確認しましょう。室内から運び込むのが難しい場合は、クレーン車を使用して2階の窓から搬入するケースもあります。その場合では、敷地の状況や建物の位置も含めて、クレーン車の使用そのものが可能かどうかを早い段階で確認しておくことが大切です。

将来的な使い方も考慮しておく

家は長く住む場所ですから、生活の変化も考慮しておくと安心です。今は階段の昇り降りに問題がなくても、年齢とともに負担を感じるようになる可能性もあります。将来的にホームエレベーターを設置することを想定して、スペースを確保しておくのもひとつの方法です。しばらくの間は収納として使用し、もしエレベーターが必要になったときにはスムーズに設置できるようにしておきます。ライフステージの変化に応じて柔軟に対応できる間取りの工夫です。

1階の防犯対策をしっかりと

2階リビングの家では、1階に目が届きにくくなります。また、1階に寝室や子ども部屋を配置するケースが多いこともあるため、しっかりとした防犯対策が大切。トイレや浴室など、窓を開け放しがちな場所には面格子の設置がおすすめです。「1階は暗くてもよい」と割り切り、窓を小さくするという方法もあります。センサーライトや防犯カメラの設置も、防犯性を高める要素となるでしょう。

2階リビングはこんな方におすすめ

都市部での新築を考えている

敷地に制限がある都市部の家は隣家との距離が近いため、1階の窓から光が入りにくく、昼間でも暗くなりがちです。そのような環境でも、2階リビングにすれば日当たりが良く明るい空間をつくることができ、通行人の視線や騒音も届きにくくなります。

ガレージハウスにしたい、ビルトインガレージがほしい

住まいにビルトインガレージを設けるとき、ほかの居住空間が影響を受けることになりますが、特にリビング(LDK)は広さの面で制限が生じやすくなります。LDKをコンパクトにしたくない場合は2階に配置するのがおすすめです。

大空間のLDKをつくりたい

2階リビングには勾配天井や天窓を設けられるため、伸びやかな大空間を作りやすくなります。また、玄関とLDKをしっかり切り離すことができるため、プライベートな空間づくりにも最適です。

まとめ:2階リビングで住まいを明るく伸びやかに

日当たりの良さや、プライバシーの確保しやすさから、注目を集めている2階リビング。都市部や住宅密集地での新築、ガレージハウス、大空間のLDKを実現したい方には特におすすめです。一方、階段の利用頻度が増えることや夏場の暑さ対策も考慮したいポイント。また、大型家具や家電の搬入ルートの把握や、家族構成に応じた間取りの工夫も大切になります。快適な住まいづくりのために、2階リビングも選択肢に加えてみませんか?

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