車やバイクに心を奪われる瞬間、それは風を切る感覚やエンジンの響き、そして愛車との絆。ドライバーやライダーなら、一度は「ビルトインガレージ」のある暮らしに憧れたことがあるのではないでしょうか?この記事では、ビルトインガレージのメリット・デメリット、暮らしやすさの向上や家族の楽しみが広がるポイントについて実例とともに解説しています。
ビルトインガレージとは?
「ビルトインガレージ」とは、住宅の一部に組み込まれた車庫のこと。「インナーガレージ」と呼ばれることもあります。建物からガレージへと直接移動できることが特徴です。また、ビルトインガレージのある住宅を「ガレージハウス」といいます。
ビルトインガレージのメリット
大切な車・バイクをいつも身近に
車やバイクを愛する方にとって、愛車をできるだけ身近に置きたいと思うのが自然な気持ちです。ビルトインガレージに面する室内窓を設ければ、日常の中で大切な車の存在を感じる瞬間が増えます。窓が階段や廊下に面していれば、通るたびにその美しさを目にすることができるはず。また、建物内のため天気や時間を気にせずにメンテナンスに没頭できます。
雨の日や荷物が多いときもストレスフリー
ビルトインガレージなら、雨や雪の日でもスムーズに乗り降りできます。特に、荷物が多い日やお子さま・お年寄りが同行する際にはその利便性を実感できるはず。また、真夏の炎天下では車内の気温が70度を超えることもありますが、ビルトインガレージ内なら直射日光を避けることができるため、極端な気温上昇を防ぐ効果も。車体を紫外線や風雨から守ることで、色あせや劣化の軽減も期待できます。
愛車のセキュリティ向上に
各地で後を絶たない車やバイクの盗難。ビルトインガレージに車を保管することで、屋外に駐車するよりも盗難やいたずらのリスクを大幅に減少させることができます。さらに、シャッターや防犯カメラを装備することで、愛車の安全をより一層強化することが可能です。
土間空間としても家族も楽しめる
車を一時的に外に出すことで、ビルトインガレージの空間をさまざまな用途に活用できます。家族や友人とのホームパーティーの会場にしたり、日曜大工の作業スペースにしたり…子供たちの遊び場や趣味のスペースとしても最適です。
家の外観デザインが洗練される
家の外観デザインを引き締めたいのであれば、ビルトインガレージがおすすめです。ガレージが住まいに組み込まれ、すっきりと洗練された印象になります。
ビルトインガレージのデメリット
敷地の有効活用が難しくなることがある
住まい全体のバランスを考えた時、ビルトインガレージ部分が大きなスペースを占めるため、ほかの居住空間が狭くなったり間取りが制限されたりすることがあります。生活スペースや動線との兼ね合いをしっかりと考えてプランニングしましょう。
車の排気ガスや騒音が気になることがある
ビルトインガレージは住まいと一体のため、車のエンジン音やシャッターの開閉音が室内に響きやすくなるもの。特に早朝や深夜の出入りになる場合や、家族の生活リズムによっては、気をつけたいポイントになります。この場合、寝室とガレージを離すのも、ひとつの方法です。また、シャッターを閉めたままエンジンを掛けると、ガレージ内に排気ガスが充満して危険です。庫内に窓や換気扇を設けて、空気を入れ替えられるようにしましょう。
建築コストが掛かる
ビルトインガレージは、カーポートなどのシンプルな車庫に比べて建築費用が掛かります。特に、電動シャッターやエアコンなどの設備を設ける場合はさらにコストアップ。さまざまなこだわりを実現するために、高額になりやすい傾向があります。それでも、車に乗るたびに使う場所であることを考えれば、その価値は十分にあると感じる方も多いはずです。
ビルトインガレージの間取りのコツや注意点
スムーズな動線を作る
車に乗り降りする際の動線を考えて間取りを考えましょう。こちらの事例では、玄関土間から、ビルトインガレージへ直接出入りすることが可能です。また、ドア手前の収納にハンガーパイプを設けており、バイクジャケットなどの上着類を掛けることができます。
ビルトインガレージは内装にもこだわる
せっかくのこだわり空間。ビルトインガレージの内装にもこだわることで一層愛着が湧きます。こちらの事例では、木目調のサイディングで落ち着いた雰囲気に仕上げました。そのほか、あえて配管や建材をむき出しにした、無骨でワイルドなイメージのガレージも人気です。なお、ビルトインガレージでは、内装制限に準拠した準不燃材以上の建材を使用する必要があります。
ビルトインガレージは広さに余裕を
ビルトインガレージは、車を収める広さに加えてメンテナンスのスペースも加味し、余裕を持った広さを確保するのがおすすめです。また、今乗っている車のサイズぴったりにすると、将来大きな車に買い替えることが難しくなります。
収納スペースも忘れずに
ビルトインガレージ内に収納を設ければ、汚れた工具などを室内に持ち込まずに済みます。車・バイクのメンテナンス用品はもちろん、アウトドア用品やスポーツ用品の収納場所を設けても便利です。また、掃除機や電気工具を使用するために、コンセントの設置も忘れずに行いましょう。
ビルトインガレージの固定資産税は?
住宅を建築する際、その地域ごとに定められた容積率の範囲内に収める必要があります。容積率とは、敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合です。ビルトインガレージ部分については特例緩和措置の対象となり、建物の床面積5分の1以下であれば、床面積として計算されないことになっています。そのため、本来よりも大きな家を建てることが可能です。
この「床面積として計算されない」という文言から、「固定資産税が掛からない」と誤解されることも多いのですが、これは間違いです。容積率の計算と固定資産税の算出方法には関係がなく、通常通り課税対象となります。
まとめ:ビルトインガレージで快適なカーライフを!
バイクや車を愛する方に人気のビルトインガレージ。愛車を住まいの中に置くことで、日常の利便性やデザイン性を高めることができ、家族全員が楽しめる空間にもなります。しかし、間取りの工夫が求められ、騒音や排気ガス対策も考慮する必要があります。それらの課題をクリアすれば、ビルトインガレージは快適なカーライフをサポートしてくれるでしょう。ビルトインガレージのある住まいで、理想の暮らしを手に入れてみてはいかがですか?