「東京ゼロエミ住宅」という住宅基準をご存知ですか?東京都内で家を新築するときに東京ゼロエミ住宅に認証されると、助成金の交付が受けられます。2019年に新設され、2025年度(令和7年度)も継続される見込みです。この記事では制度の要件や助成額について解説します。
この記事のポイント
- ・東京ゼロエミ住宅は、東京都内の新築住宅を対象にした住宅基準
・既存のZEH(ゼッチ)よりも高い省エネ基準を設定している
・新基準では最大240万円の助成金の交付を受けられる
東京ゼロエミ住宅とは?
東京ゼロエミ住宅は、東京都が独自に設定した住宅基準です。ゼロエミとは「Zero Emission(ゼロエミッション)」の略で、意味は「環境への排出物をゼロに近づける」というもの。東京ゼロエミ住宅では、断熱性能の高い建材(断熱材や窓など)、省エネ性能が高い設備(照明やエアコンなど)を取り入れることで、エネルギー消費を大幅に削減でき、環境負荷を軽減します。
東京ゼロエミ住宅は、これまでの省エネルギー住宅基準である「ZEH(ゼッチ)」よりもさらに高い基準を設定していることが特徴です。また、基準に適合する住宅を新築するときには「東京ゼロエミ住宅普及促進事業」として、住宅性能に応じた助成金の交付が受けられます。
東京ゼロエミ住宅のメリット
東京ゼロエミ住宅は、どのような住まいなのでしょうか。メリットを具体的に確認してみましょう。
最大240万円の助成金を受けられる
東京ゼロエミ住宅として定められた基準に適合する家を新築するとき、最大240万円の交付を受けることができます。制度を利用することで住まいづくりの負担を軽減することが可能です。
光熱費を抑えることができる
高い断熱性により冷暖房効率が向上し、月々の光熱費が抑えられます。また、室内外の熱の伝わりを遮断することで、結露を予防する効果も。ダニやカビの発生や建材の劣化を防ぎ、住宅の寿命を延ばして長期的なメンテナンスコストの削減にもつながります。
快適な暮らしを送れる
断熱性能の高い東京ゼロエミ住宅では、冬は暖かく夏は涼しい快適な住環境がかないます。特に冬場は、温度の急激な変化により血圧が乱高下する「ヒートショック」の予防にも効果的です。住まいをすみずみまで暖かく保つことで、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な健康被害のリスクを低減できます。
環境に優しい
東京ゼロエミ住宅の特徴は、高い断熱性や省エネ設備によりエネルギー使用量を抑えられること。温室効果ガスの排出を減らし、環境負荷の低減につながります。
東京ゼロエミ住宅のおもな要件
東京ゼロエミ住宅は、東京都内で建てられる新築住宅が対象です。また、性能規定について2024年(令和6年)10月1月から新基準が適用されました。以下は新基準の内容です。
住宅性能基準
東京ゼロエミ住宅の要件は、外皮平均熱貫流率により水準A〜Cに適合すること。また、太陽光発電システムを原則設置していることが条件となります。
外皮平均熱貫流率とは、建物の外皮(外壁や屋根等)における、熱の伝わりやすさの平均値を示す単位です。国が定める基準は東京23区・多摩市部等の区域で0.87W/㎡Kとなっています。
東京ゼロエミ住宅の助成金額
基準に適合する新築住宅は、最大240万円の助成を受けることができます。
東京ゼロエミ住宅に設置する設備についても助成金の対象となっています。
太陽光発電設備
対象の住宅に設置する太陽光発電システムも助成の対象です。オール電化住宅の場合は1万円/kW、機能性PV(優れた機能性を持つと認定された製品)を設置する場合は、最大5万円/kWが上乗せされます。
蓄電池
蓄電池は、機器費・材料費および設置費が助成の対象です。蓄電容量の合計により、上限額が異なります。
V2H
V2Hとは「Vehicle to Home」の略称で、電気自動車に搭載した蓄電池から住宅へ給電するためのシステムです。基本の助成額は下記表の通りですが、さらに電気自動車等を所有し、太陽光発電設備を設置している場合は全額(上限100万円)が助成の対象となります。
関連サイト:助成制度│環境局
関連サイト:特定供給事業者再エネ設備等設置の経費を助成│東京都
東京ゼロエミ住宅の申請の流れ
東京ゼロエミ住宅の認証および助成金の交付を受けるためのおおまかな流れを解説します。手続きは建築主が行いますが、建築業者(ハウスメーカー)が代行することが可能です。

東京ゼロエミ住宅の注意点
ほかの助成金制度との併用について
東京ゼロエミ住宅普及促進事業のほかにも、国や都が助成制度を実施しています。併用可能なものと不可のものがあるため、事前に確認しておきましょう。
申請期間について
東京ゼロエミ住宅普及促進事業には申請期限が定められていますが、申請の総額が予算の上限に達した場合は、期限を待たずに終了となります。確実に制度を利用するためには、早めの準備がおすすめです。
まとめ:東京ゼロエミ住宅の助成金で、かしこく家を建てよう
東京ゼロエミ住宅は、従来のZEHよりも高い基準を設定した、人にも環境にもやさしい住まいです。東京都内で家を建てるなら、東京ゼロエミ住宅の助成金制度を利用しませんか?ウィザースホームの住まいは太陽光発電システムが標準仕様のため、新基準にも対応しています。東京ゼロエミ住宅について、もっと知りたいとお考えでしたら、お気軽にご相談ください。