2025年に「子育てグリーン住宅支援事業」が施行されます。子育て世帯のみならず、家づくりを考えるすべての世帯にとって注目したい補助金制度です。新築もリフォームも対象になりますが、この記事ではおもに新築住宅についての条件や補助金額を解説します。制度を上手に活用して、賢く家づくりを進めましょう。(※2025年1月時点の情報で執筆しています。)
この記事のポイント
- ・子育てグリーン住宅支援事業は最大160万円の補助金制度
・すべての世帯が対象で、子育て世帯・若者夫婦世帯には優遇措置がある
・従来の基準より性能が高い「GX志向型住宅」が新設された
「子育てグリーン住宅支援事業」とは?
「子育てグリーン住宅支援事業」は、2025年に施工される新築住宅(注文・分譲)で活用できる補助金制度。2024年の「子育てエコホーム支援事業」の後継事業です。子育て世帯や若者夫婦世帯が優遇されますが、建築する住宅が一定の性能をクリアすれば、すべての世帯が補助金の対象となります。
政府は、2050年にカーボンニュートラル(二酸化炭素の排出を実質ゼロにすること)の達成を目指し、住宅の省エネ化を強く推進しています。新築住宅は2030年度までにZEHレベルを義務化する方針が示されており、「子育てグリーン住宅支援事業」はその流れの一環と言えます。
【新築住宅】補助金の対象となる条件
子育てグリーン住宅支援事業では、「GX志向型住宅」の条件を満たす住宅を建築する場合、すべての世帯が補助金の対象となります。子育て世帯と若者夫婦世帯の場合はGX志向型住宅の性能を満たさなくても、優遇措置として「長期優良住宅」「ZEH(ゼッチ)水準住宅」も対象です。
●新築住宅の補助額
※:子育て世帯:18歳未満の子どもを有する世帯、若者夫婦世帯:夫婦のどちらかが39歳以下の世帯
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GX志向型住宅とは?
「GX(グリーントランスフォーメーション)志向型住宅」は、2024年に新たに設けられました。これまでの省エネ住宅「ZEH」を大きく上回る基準です。具体的には、以下の条件を満たす必要があります。
①断熱等性能等級6以上
断熱等性能等級は、住宅の断熱性を表す基準。数字が大きいほど、熱が出入りしにくい住宅であることを示します。断熱等級を決めるのは「UA値(外皮平均熱貫流率)」という数値です。日本は南北に長くエリアにより気候の差があるため、8つに分けた地域ごとにクリアするべきUA値が定められています。現在、最も高い断熱性能等級は7で、GX志向型住宅では6以上が求められます。
②再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率35%以上
一次エネルギー消費量とは、建物で1年間に使用される設備機器の消費エネルギー量を熱換算したものです。設備機器には冷暖房だけでなく換気・給湯・照明なども含まれます。基準となる一次エネルギー消費量は、省エネ法に基づき地域や建物の大きさなどにより算出されます。
GX志向型住宅では、省エネ性能の高い設備の導入により一次エネルギー消費量を35%以上削減することが求められます。
③再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率100%以上
太陽光発電システムを導入することで、一次エネルギー消費量の削減率を100%以上にすることが求められます。使うエネルギー量と創るエネルギー量を合わせて、実質ゼロにするということです。
●子育てグリーン住宅支援事業 対象住宅の比較表
※「ZEH」では再生可能エネルギーと合わせた一次エネルギー消費量の実質ゼロ以下が求められますが、「ZEH水準住宅」では、定められていません。
このようにGX志向型住宅は、建物の高い断熱性能に加えて太陽光発電システムと省エネ設備の導入が必須となります。従来の住宅に比べて建築コストが高くなるため、削減できる光熱費や補助金額とのバランスを考慮することが大切です。なお、寒冷地や都市部の狭小地などでは、要件が一部緩和される場合があります。
【新築住宅】子育てグリーン住宅支援事業のおもな要件
子育てグリーン住宅支援事業を利用するためには、住宅性能のほかに以下の要件を満たす必要があります。
- ・床面積50〜240㎡の住宅
- ・2024年11月22日以降に基礎工事より後の工程に着手する
・交付申請までに事業者登録が必要
・土砂災害特別警戒区域、災害危険区域等の住宅は対象外
これらの要件が当てはまるかどうかを正確に判断するのは難しい場合もあります。補助金制度を確実に利用するためには、土地探しや設計の段階から、プロに相談するのがおすすめです。ウィザースホームでもご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
子育てグリーン住宅支援事業の注意点
ほかの補助金制度との併用について
子育てグリーン住宅支援事業は、国が実施するほかの補助金制度と組み合わせて利用することは原則的にできません。ただし、新築住宅では経済産業省による「DRに対応したリソース導入拡大支援事業(仮)」との併用は可能です。蓄電池を導入する場合、費用の3分の1以内が補助されます。また、市区町村が実施する助成金制度は併用が可能な場合があるので、事前に確認しましょう。
余裕を持ったスケジュールを
2025年1月現在、子育てグリーン住宅支援事業の申請期間や申請方法などの詳細は公表されていません。過去の同様の事業では、予算の上限に達し次第、締切日を待たずに終了されているため、確実に利用するためには早めの準備がおすすめです。
事前の事業者登録が必要
施工業者が子育てグリーン住宅支援事業への事業者登録が必要です。登録されていない業者で建築した場合、補助金は適用されません。
ウィザースホームの標準仕様
ウィザースホームでは、標準仕様で環境にやさしく省エネ性能の高い住まいを実現できます。もちろん、子育てグリーン住宅支援事業も利用可能です。
2×6工法による高断熱・高気密
ツーバイシックス工法(枠組壁工法)の外周壁の厚みは、従来のツーバイフォー工法の約1.6倍。その厚みを活かして断熱材を充填するため、高い断熱性能を確保できます。標準仕様で断熱等級6を実現し、冬は暖かく夏は涼しい空間で、快適に過ごせます。
太陽光発電システムによる創エネ
太陽光発電システムも全棟で標準搭載。電気代を削減しつつ、災害への備えにもなります。
外壁タイルによる環境負荷軽減
外壁タイルは耐久性が高く、メンテナンス頻度を減らせるため、環境負荷やランニングコストを抑えられます。
まとめ:補助金制度を活用して賢く家づくりを
2025年に施行される「子育てグリーン住宅支援事業」。その対象として「GX志向型住宅」という基準も新設されました。2025年1月現在、申請期間や申請方法などの詳細は未公表ですが、住まいの性能や費用、補助金をバランスよく見比べることがポイントです。補助金を活用して快適な住まいを手に入れるために、早めに情報収集を進めつつ、支援事業が利用可能なハウスメーカーを探しておきましょう。
参考: