自宅でアクアリウムを楽しみませんか?ゆったりと泳ぐ熱帯魚を眺めると、日頃の悩みや疲れも癒やされます。近年は自然の水景を再現した水草水槽も人気です。この記事では自宅に水槽を置く際のポイントや注意点、注文住宅で叶える理想的なアクアリムのコツを解説します。
自宅アクアリウムの注意点
水を入れた水槽はかなり重い
水槽にはさまざまな種類がありますが、自宅アクアリウムでは「60cm規格水槽」(幅60cm×奥行き30cm×高さ36cm)がスタンダードな大きさです。ひと回り大きなものは90cm(幅90cm×奥行き45cm×高さ45cm)水槽になります。
水を入れた水槽は見た目の印象よりも重量があります。60cm水槽の満水時の水量は約60L。水槽自体の重さやレイアウト(砂利等)を含めると約70kgになります。90cm規格水槽であれば総重量は200kgを超える場合も。テレビ台や収納家具などに水槽を置くと歪みが生じやすく、最悪の場合には倒壊するケースもあります。必ず専用の水槽台に設置しましょう。
水がこぼれることを想定する
水替えの時や地震が発生した時などに、水をこぼしたり水槽から水があふれたりする可能性があります。水槽の近くには精密機器(パソコン等)を置かないようにしましょう。階下に水漏れする可能性も想定すると、1階への設置がおすすめです。
環境が安定した場所に設置する
水槽は昼夜の寒暖差が小さく、直射日光の当たらない場所に設置しましょう。安定した水質を維持しやすくなります。光は魚や水草の育成に必要ですが、直射日光は管理が難しく水温上昇やコケ(藻)の原因にもなるため、アクアリウム用のLED照明を使用します。
アクアリウム用品の収納場所を考える
水槽の設置場所の近くに、収納も確保しましょう。アクアリウムを始めるとメンテナンス道具や魚の餌、フィルターのストックなど、細かな物が増えていきゴチャゴチャになりやすいです。収納の場所が遠いとメンテナンスが面倒になりがちというデメリットもあります。
稼働音に注意する
水槽まわりの騒音として、エアポンプや濾過器の稼働音や振動音があります。現在は製品の静音化がかなり進んでいますが、やはり無音というわけにはいきません。特に静かな夜間は気になりやすいため、水槽は寝室から離れた場所に設置した方が良いでしょう。音の感じ方には個人差があるため、家族の意見もしっかり聞くことが大切です。
注文住宅で叶える自宅アクアリウムのコツ
新築の住まいでアクアリウムを楽しむ予定なら、注文住宅がおすすめです。あとからでは実現が難しいことも、オーダーメイドなら叶えることができます。
水槽台は造作がおすすめ
市販の水槽台を購入する場合は既存のデザインから選ぶことになりますが、造作家具ならインテリアに合った水槽台を作ることができます。水族館のように壁に埋め込むことも可能です。なお、120cmを超えるような大型水槽の場合は、床の補強が必要になるケースもあります。
飼育する魚の種類を具体的に考える
新居でどのような魚を飼育するのか、具体的に考えることで住まいづくりの計画を進めやすくなります。魚の種類や数によって必要な水槽の大きさや、必要な設備が変わってくるためです。
メンテナンスしやすい環境をつくる
水槽を維持するためには、定期的な水替えや掃除などのメンテナンスが必要です。アクアリウムまわりの床材は水に強い素材を選びましょう。また、どの水栓やシンクを使用することになるのかを考えましょう。キッチンのシンクを使うことに、家族に理解が得られない場合もあります。水槽の近くに専用シンクをつくると、メンテナンスのしやすさが格段に向上します。
コンセントは多めに、位置は高く
アクアリウムに使用する設備にはさまざまな種類がありますが、少なくともヒータ、ライト、フィルター(濾過器)は使用することになります。水槽の数が増えればその分設備の種類も増えるため、コンセントの数が不足しがちです。電源タップのタコ足配線などによる容量オーバーを防ぐために、コンセントは多めに設置しておきましょう。また、コンセントに水がかかると漏電する可能性があるため、水面より高い位置に設けると安心です。
家づくりの早い段階から相談する
注文住宅でアクアリウムを導入するなら、家づくりの早い段階から相談するのがおすすめです。特に大型水槽の設置には構造上の制約が生じる場合があり、間取りが変わる可能性もあります。また、大型水槽を室内へどのように運び込むのか、搬入経路も考慮しましょう。
不要になった場合も考える
将来的に、何らかの理由でアクアリウムをやめることになる可能性もあります。水槽や設備を処分しても、造作の水槽台や専用のシンクなどは残ることを頭の片隅に置いておきましょう。特に埋め込み水槽の場合、壁に穴が残ることになります。
【アクアリウムのある住まい実例】美しい水景を切り取るリビング
こちらは、リビングの壁に埋め込み水槽を設けた事例です。海水魚が泳ぐ様子を水族館のように楽しむことができます。
リビングの裏側が玄関になっており、水槽を両面から楽しむことができる間取りです。白でまとめた内装が、美しい水景を引き立てます。
まとめ:注文住宅で理想の自宅アクアリウムを実現しよう
美しい水景の再現や、色とりどりの魚が泳ぐ姿を楽しむことができるアクアリウム。自由設計の注文住宅なら、埋め込み水槽や専用シンクなど、後からでは実現が難しいアクアリウム環境も叶います。ただし水槽の種類や大きさによっては、構造上の制約が生じる場合もあるので、早い段階から設計士に相談しましょう。