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2024.10.03

UA値とは?断熱等級の基準と家づくりのポイントを解説

目 次

家づくりを考える際によく耳にする「UA値」という言葉。この指標は家の断熱性能を示し、快適な住まいづくりや省エネにおいて重要な役割を果たします。では、UA値とは具体的にどのようなものなのでしょうか?この記事では、UA値の意味や新築住宅の断熱性を高めるための工夫、そして目指すべき断熱等級の考え方について解説します。

この記事のポイント

  • ・UA値は家の外壁・窓・屋根などを通して出入りする熱の量の指標。
  • ・UA値を下げるためには、外壁・窓・玄関などの各部位で断熱性能を高める。
  • ・UA値を参考にしつつ、コストや暮らしやすさを総合的に考えた家づくりを。

「UA値(外皮平均熱貫流率)」とは?

UA値(ユーエーチ)とは家の断熱性能を表す数値で、「外皮平均熱貫流率」とも呼ばれます。【U】は熱の逃げやすさを示す「熱貫流率」の単位で、【A】はAverage(平均)の略です。

UA値の計算方法

家の外に接している部分(外壁や屋根、窓など)をまとめて「外皮」と呼び、外皮の各部位から逃げる熱の量を合計したものを「外皮熱損失量」と言います。そして、外皮熱損失量を外皮全体の面積で割ったものがUA値(外皮平均熱貫流率)です。外皮1㎡あたりの、熱が逃げる量の平均値を示します。つまり、UA値の数値が低いほど、断熱性能が高い家ということになります。

外皮平均熱貫流率(UA値)[W㎡K] = 外皮熱損失量[W/K]÷外皮表面積[㎡]

なぜUA値が重要なの?

UA値が低い(断熱性能が高い)家は外気温の影響を受けにくいため、室内を快適な温度に保ちやすいです。そのため、UA値を低くすることは快適な住まいを実現するために重要なポイントとなります。

UA値で断熱等級が決まる

家の断熱性能を示す代表的な指標が「断熱等級」です。UA値はこの断熱等級を決める基準となっており、「省エネルギー地域区分」により異なる数値が定められています。省エネルギー地域区分とは、市区町村ごとの気候に応じて区分された1〜8の地域で、寒冷地ほど基準が厳しくなることが特徴です。なお、断熱等級5以上は2022年に新設されました。

出典:省エネ上位等級の新設で、家づくりが変わる。https://www.ykkap.co.jp/consumer/satellite/products/articles/shoene-joitokyu/

断熱等級が高い家のメリット

断熱等級が高い家は、快適なだけでなく健康面や経済面でもメリットがあります。

夏も冬も快適に過ごせる

断熱等級が高い家は外気温の影響を受けにくいため、年間を通じて快適な室内環境を保ちやすくなります。冬は日当たりや暖房による暖かさを保ち、夏は冷房の涼しさが逃げにくいです。エアコンやヒーターを使いすぎなくても、心地よい暮らしが実現します。

関連記事:冬も暖かい家、高気密・高断熱住宅のメリット・デメリットを解説

省エネルギーになる

断熱性能が高い家は冷暖房の効きが良いため、電気の使用料が減り毎月の光熱費を低減することができます。また、エネルギー消費が少なくなることで、CO2の排出を抑えて地球環境に優しい家となります。

健康を守る

断熱性能が高い家は、夏の熱中症や冬のヒートショックのリスクを減らすことができます。ヒートショックとは、暖かい場所と寒い場所を行き来することで温度差による血圧の乱高下が生じ、心筋梗塞や脳梗塞などの健康被害が起きることです。断熱性能が高い家は部屋ごとの温度差が小さくなるため、こうした健康リスクを軽減できます。ヒートショックの発生は高齢者に多いですが、若い人にも起こる可能性があるため注意が必要です。

さらに、断熱性が高いと室内の温度が安定するため、結露も発生しにくくなります。結露を抑えることでカビやダニの発生も防げるため、アレルギーや喘息を持つ人も安心です。

関連記事:結露しない家づくり。快適な新築住宅のポイント

資産価値が高まる

断熱等級が高い家は、将来的にも資産価値が高く評価されやすいです。住宅の省エネルギー化は政府も推進しており、一定の要件を満たす場合は補助金制度や税制優遇の対象になります。

UA値を下げる(断熱等級を上げる)工夫

断熱等級を上げることで、住まいの快適性や省エネ効果が向上します。断熱性能を高めてUA値を低くする、具体的な方法を確認していきましょう。

外壁の断熱性能を高める

外壁は外皮のなかでも大きな割合を占める部位のため、その断熱性を高めることが大切になります。外壁に使用する断熱材にはさまざまな種類がありますが、家の構造や地域の気候に適した高性能な断熱材を選ぶことが大切です。また、同じ種類の断熱材であれば厚くなるほど断熱性能が高くなります。

なお、どんなに高性能な断熱材を使っても、隙間があるとそこが熱の逃げ道になってしまいます。丁寧に隙間なく断熱材を施工することが、外壁の断熱性能を高めるための重要なポイントです。

窓の断熱性を高める

窓はもっとも熱が出入りしやすい部位。単板ガラスの窓の場合、家全体を出入りする熱のうち夏の冷房時に開口部から入る熱の割合は73%、冬の暖房時に逃げる熱の割合は58%を占めます。そのため窓の断熱性を高めることが効果的です。例えば、窓の面積をできるだけ減らすこともひとつの方法になります。

現在の新築住宅に設置される窓は、単板ガラスに比べて断熱性のある「ペアガラス(複層ガラス)」が一般的ですが、より断熱性能が高い「Low-E複層ガラス」や「トリプルガラス(三重ガラス)」もおすすめです。さらに、サッシ(窓枠)の素材は、アルミよりも樹脂や複合材のほうが断熱性能に優れています。

玄関の断熱性能を上げる

玄関も熱の出入りが多い部分のため、玄関ドアの断熱性能にも着目しましょう。断熱性を高めた「断熱玄関ドア」は扉部分に断熱材が封入されており、採光用ガラスには複層ガラスやLow-E複層ガラスが用いられています。

断熱等級はどれくらいを目指すべき?

出典:省エネ上位等級の新設で、家づくりが変わる。https://www.ykkap.co.jp/consumer/satellite/products/articles/shoene-joitokyu/

住まいの省エネ化を推進するため、2022年に断熱等級5・6・7が新設されました。新築住宅においては、2025年に等級4、2030年には等級5への適合が義務化される予定です。現状では断熱等級5をクリアすることがひとつの基準となっていますが、将来的にはより高い等級を目指す動きが広がると予想されます。

UA値は間取りによって変わる

UA値は建物の形状や間取りにも影響を受けます。たとえば、同じ窓や断熱材を使って建てた場合でも、窓の配置や屋根の形・部屋のレイアウト、床面積等の条件が異なれば、UA値も変わってくる可能性があります。そのため、ハウスメーカーが住宅性能として公表しているUA値が、自分の家でそのまま再現されるとは限らないことに注意しましょう。

断熱等級は高いほうが良い?

断熱等級が高くなるほど家の断熱性能は向上しますが、それにともない建設コストも増加します。しかし、UA値に比例して快適性が劇的に向上するとは限りません。たとえば、断熱等級4と5を比較した場合は住み心地の差を体感しやすいですが、等級6と7の差は体感しにくくなります。大切なのは、初期コストとランニングコスト、そして日々の暮らしやすさを総合的に考えること。断熱等級やUA値にとらわれすぎずに、快適で経済的な住まいを実現するための指標のひとつとして活用するのがおすすめです。

まとめ:住まいのUA値を下げて断熱性を上げよう

UA値は、家の外皮(外壁や窓など)から逃げる熱の平均値です。UA値を下げることで断熱性を高めることができ、快適性の向上をはじめ健康面でのメリットや光熱費低減も期待できます。家を新築する際はUA値や断熱等級などの数値を参考にしつつ、コストや暮らしやすさを総合的に考えることが大切です。

ウィザースホームでは、高性能住宅(高気密・高断熱)を通じて、快適で省エネな暮らしを提供しています。住まいの断熱セミナーも実施していますので、お気軽にご相談ください。

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