洗濯物の室内干し(部屋干し)と外干し、どちらが正解なのでしょうか?
その答えは、「家族の暮らし方によって変わる」です。
近年は天候や時間に左右されにくい室内干しが注目される一方で、太陽と風でカラッと乾く外干しにも根強い支持があります。この記事では、室内干しと外干しを比較しながら、暮らしに合った洗濯スタイルを考えるヒントをお伝えします。
家づくりで「洗濯の干し方」が重要になる理由
洗濯は毎日の家事だから
ファミリー世帯では、洗濯はほぼ毎日行う家事。そのため、どこで干すかを考えることは、家事動線を整える第一歩と言えます。室内干し・外干しのどちらを選ぶ場合でも、洗濯機の位置、物干しスペース、収納場所をセットで考えることが大切です。なお(株)LIXILが自宅の洗濯物の乾かし方について調査したところ、「洗濯物は外に干す」が44.9%、「洗濯物は室内に干すことが多い」が32.4%でした。

また、特に悩みが増えやすいのが梅雨の時期。リンナイ(株)の調査によると梅雨時期に負担を感じる家事として最も多かったのは「洗濯(59.5%)」で、悩みのトップは「乾きづらい・乾かしづらい(69.3%)」でした。洗濯物の干し方は住まいの快適性に直結するテーマといえます。
あとからの変更が難しいから
洗濯物の干し方に不便を感じた際、物干し金物を追加する程度であれば家を建てた後に対応できる場合もありますが、ランドリールームやバルコニーを簡単に追加することはできません。「室内干しが流行っているから」「なんとなく便利そうだから」と決めるのではなく、家族構成やライフスタイルに合った洗濯の方法を考えることが、後悔しない家づくりにつながります。
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室内干し(部屋干し)のメリット・デメリット
近年人気が高まっている室内干し。まずは室内干しのメリットとデメリットを整理していきます。
メリット① 天候や季節に左右されず洗濯できる
室内干しの最大のメリットは、天気を気にせず洗濯できること。雲行きがあやしい時や梅雨の季節も洗濯物を干せます。外干しの場合、夜に干すと夜露や朝露にあたり再び湿ってしまうことがありますが、室内干しならその心配もありません。
メリット②花粉・黄砂・虫の付着を防ぐ
室内干しなら、花粉や黄砂、車の排気ガス、虫などが洗濯物に付着しません。アレルギー体質の方、虫が苦手な方、小さな子どもがいる家庭に支持される理由のひとつです。
メリット③生活動線に組み込みやすい
室内干しを間取りに組み込むことで「洗う・干す・しまう」を室内で完結させやすくなります。洗面脱衣室やクローゼットの近くに物干しスペースを設けることで、動線を短くして家事の負担を軽減することが可能です。
デメリット① 生乾きやニオイが気になることがある
室内干しで気をつけたいのが、洗濯物の生乾きやそのニオイ。これは、乾燥に時間がかかることで雑菌が繁殖しやすくなることが原因です。対策としては、室内に湿気がこもらないように、空気の流れをしっかりと意識した換気計画を行いましょう。除湿機やサーキュレーターの活用も有効です。
デメリット② 生活空間を圧迫することがある
リビングや廊下などで室内干しをすると、洗濯物が視界に入り生活感が出やすくなります。また、ランドリールームなど物干し専用の空間を設ける場合、その分ほかの部屋が狭くなってしまう場合もあります。
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外干しのメリット・デメリット
オーソドックスな外干しも根強い人気があります。その特徴や注意点を確認していきましょう。
メリット① 太陽光と風でカラッと乾く
外干しの魅力は、太陽と風の力を活かして短時間でしっかりと乾かせること。太陽の紫外線には殺菌効果もあり、洗濯物を清潔に保ちやすくなります。また、乾燥に電気を使わないため省エネ・エコの観点でもメリットです。
メリット② 広い物干しスペースを確保しやすい
バルコニーや庭、テラスなどに大きな物干しスペースを確保しやすいため、布団や毛布などの大物を干すことができます。洗濯物の量が多くても一度に干せるため、洗濯機を何回もまわす子育て世帯にもおすすめです。
メリット③ 生活感が出ない・室内がすっきりする
洗濯物を屋外に干すことで、室内に生活感を出さずにすっきり保ちやすくなり、急な来客時にも慌てないで済みます。
デメリット① プライバシーの問題
外干ししている洗濯物の量や種類から、家族構成や生活リズムを推測されてしまう場合があります。物干しを通りから見えにくい位置に設けるか、目隠し(フェンスや植栽)の設置がおすすめです。
デメリット② 服が傷むことがある
衣類の素材によっては、紫外線による色あせや繊維の劣化が起きやすい場合があります。デリケートな衣類は直射日光を避け、風通しの良い日陰に干しましょう。
室内干しにおすすめの間取り例・設備
ランドリールーム
ランドリールームは、洗濯と物干し専用の部屋です。生活空間と切り離せるため洗濯物が目に入らず来客時にも気になりません。さらにランドリールームを収納の近くに設けると「洗う・干す・しまう」が集約され、洗濯動線を最短にすることができます。
こちらの事例では、物干しの側に洗濯物を畳んだりアイロンを掛けたりするのに便利なカウンターを設けました。

洗面脱衣室+物干しスペース
洗面脱衣室に物干しを設ければ「脱ぐ・洗う・干す」が同じ空間で完結するため、動線がコンパクトにまとまります。

リビングや寝室の一角
生活空間の一角での室内干しは、よく目が届くため乾き具合を確認しやすいです。物干しのデザインにこだわれば、洗濯物を干していないときに生活感が出ません。
こちらの事例では、寝室の窓辺に物干しを設けました。窓の幅と同じアイアンの物干しがインテリアに溶け込みます。

廊下・階段ホールなどの余白空間
廊下や階段ホールを有効活用すれば、居室を圧迫せずに洗濯物を干せます。日当たりや風通しのよい場所がおすすめです。
こちらは、階段ホールに室内干しスペースを設けた事例。天井に収納できる昇降式の物干しで、使用しないときの見た目もスッキリ。

乾太くん(ガス乾燥機)
リンナイ製のガス乾燥機「乾太くん」は、パワフルなガスの熱で家族4人分(6kg)の衣類を1時間で乾かすことが可能。生乾きのないふんわりとした仕上がりで、高温による殺菌効果も期待できます。ただしガス工事や設置スペースが必要なため、後付けはコストが高くなりやすく、条件によっては設置自体が難しい場合も。そのため、新築時の導入がおすすめです。
こちらはキッチンの一角に洗濯機と乾太くんを設けた事例です。洗濯と調理の動線を集約することで、家事の同時進行が効率的に行えます。

関連記事:家づくりアイデア集「乾太くん」
外干しにおすすめの間取り例・設備
庭やテラスを活かした外干しスペース
庭やテラスで外干しするなら、洗濯機や収納スペースの近くに設けることで、洗濯物を運ぶ負担を軽減できます。1階完結型の動線にすれば、階段の上り下りが不要になります。
こちらの事例では、日当たりの良い庭のウッドデッキに、布団やラグなどの大物を掛けられるように手すりを設けました。

中庭
高い壁で囲まれている中庭なら、通りの視線からプライバシーが守られるため、心置きなく洗濯物を干すことができます。

軒・庇(ひさし)
深い軒や庇(ひさし)の下に洗濯物を干せば、“天候に左右される”という外干しのデメリットを解消することが可能です。「今日は雨が降るかも…」と迷う日も、安心して出かけられます。

目隠しフェンス・ルーバー
外干しで気になりやすいのが、周囲からの視線です。目隠しフェンスやルーバーを設けることで、洗濯物や作業中の姿が見えにくくなります。
こちらの事例では視線の気になる角度に目隠しルーバーを設置。また、ランドリールームの掃き出し窓に物干しを設け、外干しにも室内干しにも対応できるようにしています。

「室内干し」「外干し」は、暮らし方で決めよう
このように、室内干しと外干しそれぞれにメリットがあります。どちらの洗濯スタイルが合うのか、再確認してみましょう。
- ●室内干し・部屋干しはこんな人におすすめ
- ・天候や時間を気にせずに洗濯したい
- ・花粉・黄砂・虫の付着が気になる
- ・洗濯動線をできるだけ短くしたい
- ●外干しはこんな人におすすめ
- ・風と太陽光でカラッと乾かしたい
- ・家族が多く洗濯物の量が多い
- ・室内スペースを物干しに使いたくない
どちらか一択にしなくても
注文住宅なら、室内干しと外干しの併用を前提とした間取りにすることも可能です。
- ・花粉が気になる季節は室内干し
- ・大きなものや乾きにくいものは外干し
と、季節や洗濯物の種類によって柔軟に使い分けることができます。
今だけでなく将来の暮らしも見据える
家づくりでは、今だけでなく暮らしの変化も意識することが大切です。たとえば子どもの成長とともに洗濯物の量が増減したり、部活動や習い事で洗濯のタイミングが変わったりすることもあります。また、年齢を重ねるにつれて洗濯物を持った階段の昇り降りが負担になるケースも少なくありません。洗濯から干す作業まで階段なしで完結できる動線や、室内干しと外干しを使い分けられる間取りは、長く快適に暮らすための備えにもなります。
サンルームという選択肢もアリ
テラスやバルコニーの代わりに、日当たりの良い場所にサンルームを設けるという方法もあります。物干し専用ではなく、くつろぎスペースや趣味の場所を兼ねる場所にすると、日常的にも活躍しやすくなります。また、外干しスペースの近くに設ければ、雨が降ってきたときにサッと取り込むのにも便利です。
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まとめ|洗濯スタイルを考えることは、暮らしを整える第一歩
室内干しと外干し、どちらを選ぶべきか。大切なのはライフタイルや価値観に合っているかどうかです。室内干し・外干しの両方にメリット・デメリットがあります。注文住宅なら、季節や天候・洗濯物の種類に応じて使い分けられる間取りや、将来の暮らしの変化にも対応できるプランニングが可能です。
「ランドリールームは本当に必要?」「バルコニーをつけるべきか迷っている」そんなお悩みがあれば、ぜひご相談ください。ご家族の暮らしに合った洗濯スタイルを考えることが、長く心地よく暮らせる住まいづくりの第一歩になります。









