「スイッチの場所がちょっと不便…」「ここにコンセントがあればよかったのに…」そう感じたこと、ありませんか?実は、スイッチやコンセントの位置は、家づくりの後悔ランキングでも上位に入るほど多い失敗ポイント。図面上で問題なさそうに見えても、実際に住んでから気づくケースが少なくありません。この記事では、そんな失敗を防ぐために知っておきたいスイッチ・コンセント配置のよくある後悔例と、位置決めのコツを解説します。
スイッチの失敗例と対策
スイッチの失敗例① 生活動線上にない
スイッチが生活動線上の適切な位置にないと、余分に移動しなければならなかったり、作業のやり直しが生じたりすることになります。暮らし方を具体的にイメージしながら、どのタイミングでスイッチを押すのか、どの位置にあれば押しやすいのかを考えてプランニングしましょう。
【具体例】一般的に居室の照明のスイッチは出入り口付近に設置します。回遊動線などで2箇所以上の出入り口があるのに一方の側にしかスイッチがないと、照明を消すためだけに反対側に移動しなければならなくなる場合があります。
【具体例】玄関ホールや廊下のスイッチが靴を履いてから手が届かなくなる位置にあると、スイッチを押すために一度はいた靴を脱がないといけなくなる場合があります。
スイッチの失敗例② 切り忘れてしまう
クローゼットの内側にスイッチがあると照明の消し忘れが生じやすくなります。収納の外側に配置しましょう。さらに「ほたるスイッチ」であればスイッチ自体が点灯するので外側から点いているかどうか確認できます。そのほか、自動的にオン・オフする人感センサー付き照明もおすすめです。
【おすすめスイッチ実例】
こちらは、人感センサー照明を採用したウォークインクローゼット。さらにドアを設けていないため、乾いた洗濯物を両手に抱えたたままでもスムーズに入ることができ、照明の消し忘れの心配もありません。

スイッチの失敗例③ ドアに隠れてしまう
居室やクローゼットのドアを開けたとき、扉で隠れてしまう位置にスイッチがあると、照明を点けるために一旦ドアを閉める必要があります。間取り図上でドアを開けたときに隠れる壁に印を付けて確認しましょう。
コンセントの失敗例と対策
コンセントの失敗例① 数が足りない
家電類の数に対してコンセントが少ないケースです。コンセントが足りないからと電源タップをつなぎ大量のプラグを差すと、いわゆる「タコ足配線」となり、定格容量以上の電気が流れたり熱がこもることでコードが劣化したりして火災のリスクが高まります。
キッチン家電やテレビといった大型家電、スマホやゲーム機器の充電器などのこまごました電子機器、そのほか暮らしていくうちに家電が増えていくことも
想定してコンセントを配置しましょう。
コンセントの失敗例② 位置が遠い
コンセントと家電の間に距離があり、コードを長く伸ばさなければいけなくなるケースです。通路を横切るように延長コードを渡すと、足を引っ掛けてしまう可能性もあります。家電を使用する場所の近くにコンセントを配置しましょう。
近年人気の開放的な間取りは壁が少ない傾向があるため、広い空間ではコンセントを床に設置する選択肢もあります。リビングの中央にコタツを置いたり、ダイニングでホットプレートを使用したりするときに便利です。
【おすすめコンセント実例】
ダイニングテーブルでホットプレートや電気鍋を使ことができるよう、キッチンカウンターの立ち上がりにコンセントを設けました。そのほか携帯電話等の充電にも便利です。

コンセントの失敗例③ 家具で隠れてしまう
せっかくコンセントがあっても、家具で隠れてしまっては使えません。家具の位置や高さを具体的に想定しながらコンセントの位置を決めましょう。
【おすすめコンセント実例】
こちらの寝室には、同じベッドをもう1台買い足す予定です。そのため、2台並べたサイズに合わせてスイッチとコンセントを設置しています。

コンセントの失敗例④ 季節家電用が足りない
一年を通じて日常的に使用する家電だけでなく、クリスマスツリーのイルミネーション、加湿器、除湿機、電気ストーブといった、季節家電についても忘れないようにしましょう。
【おすすめコンセント実例】
ダイニング・キッチンの一角に、空気清浄機を一時的に置くことを想定したお施主様。どこにコンセントを設けたかというと…

キッチンの足元に特注で設置しました。キャビネットの扉面から一段奥まっていることもあり、普段はコンセントの存在感を全く感じません。

スイッチ・コンセントの位置のポイント
先回りして考えておく
家づくりにおいて、スイッチやコンセントの打合せ時期は間取りの決定後です。気分的にも時間的にもあまり余裕がないなか、熟考できずに決めてしまうケースも少なくありません。間取りのプランニングと平行しながら、スイッチ・コンセントの位置も先回りして考えておくと良いでしょう。
【おすすめコンセント実例】
テレビを掛けた壁に穴を開け、その裏手の階段収納にコンセントおよびテレビジャック(アンテナ端子)を設けました。コードが表側に出ないためスッキリと見え、メンテナンスや配線の変更がしやすいです。

【おすすめコンセント実例】
こちらは造作洗面台の足元に設けたコンセント。通常よりも高めの位置に設けているため、棚板に隠れて目立ちません。

デザインにもこだわる
スイッチやコンセントのデザインにもこだわればインテリアがワンランクアップします。ハウスメーカーで選べるラインナップは一般的な製品のみとなるため、珍しいデザインのものは施主支給という形で取り付けることになります。
【おすすめスイッチ実例】
落ち着いて眠れるように、黒いクロスを貼った寝室。枕元のコンセントも、壁に溶け込むように黒で統一しました。

「迷ったらつける」がおすすめ
家づくりでコンセントをつけるかどうか迷う場所があったら、“つける”を選択するのがおすすめです。「つければよかった」という後悔があっても「つけなければ良かった」と後悔することはほとんどないでしょう。新築時にコンセントをつくるなら費用を数千円/箇所プラスするだけで済みますが、後からリフォームで増設するには手間もお金も掛かります。
バリアフリーにも考慮する
スイッチやコンセントの位置決めは、高さにも注目してみましょう。高齢者や車椅子を使用する人や高齢者にとっては、スイッチは低め、コンセントは高めのほうが使いやすくなります。小さな子どもやペットのいたずらを防止するには、床から離したほうが安心です。
より快適性をアップするなら
IoTを採用してより便利に
IoT(アイオーティー)を採用すれば、物理的なスイッチ以外でも家電を使用できるようになります。IoTとは【Internet of Things=モノのインターネット】つまりネットに接続して制御・管理できる物のこと。スマホ等を介して外出先から照明や家電のオン・オフを制御したり、設定を調整したりすることができます。
スイッチとリモコンが一体化
離れた場所からスイッチをオン・オフしたい家電には「とったらリモコン」がおすすめ。壁のスイッチとしても、一体化したリモコンを取り外して使用することも可能な製品です。例えば、リモコンに対応していない照明器具でも、就寝時に布団に入ってからスイッチを切ることができるようになります。

出典:https://www2.panasonic.biz/jp/densetsu/haisen/switch_concent/switch/tottara/
まとめ:スイッチやコンセントの検討は早めに
スイッチやコンセントは毎日使うものでありながら、位置決めは後回しになりがちなもの。間取りを考える段階から念頭に置いておくのがおすすめです。どのような生活動線になるのか、どのような家具・家電を置くのか、暮らし方を具体的にイメージしながらプランニングしましょう。








