家づくりを考えるとき、多くの方がまず気にするのは「いくらで建てられるか」ではないでしょうか。しかし、住まいは建てれば終わりというわけではなく、完成後も光熱費や税金・メンテナンス費用など、数十年にわたってさまざまなお金がかかり続けます。
そこで知っておきたいのが、「LCC(ライフサイクルコスト)」という考え方です。この記事では、LCCの基本から家づくりで差が出やすいポイントまでわかりやすく解説します。
LCC(ライフサイクルコスト)とは?
家づくりのお金を長い目で考える
LCC(ライフサイクルコスト)とは、【建築時にかかる費用+住んでからの費用+将来にかかる費用】をすべて含めた、住まいの総コストのこと。

ライフサイクルコストを「氷山」に例えると、建築時にかかる費用は水面よりも上に見えている部分です。実際には、水面下に光熱費や修繕費用といったコストが隠れており、長期的には大きな割合を占めます。LCCは、こうした“見えにくい費用”まで含めて家づくりを考える視点です。
初期費用だけでは見えにくいコストがある
誰しも「建築費をできるだけ抑えたい」と思うのは当然の心理です。しかし初期費用を節約するあまりに住宅性能を下げてしまうと、光熱費や修繕費用が高く付く可能性もあります。安く建てたはずなのに住んでからお金がかかる、という事態を避けるためにはLCCの視点が大切です。
LCCは子育て世帯こそ知っておきたい
特に子育て世帯の場合は、住宅費だけでなく教育費・生活費・老後資金など、将来に向けたさまざまな支出が控えているもの。住まいにかかるお金を長期的に把握しておくことで、家計全体のバランスを整えて将来の出費に備えやすくなります。
関連記事:
注文住宅の予算はいくら?購入費用の内訳と資金計画の立て方を解説
住まいのライフサイクルコスト
LCC(ライフサイクルコスト)はおおまかに下記の3つに分けることができます。
- ①イニシャルコスト(初期費用)
②エネルギーコスト
③メンテナンスコスト(修繕費用)
ここで押さえておきたいのは、②と③は「建てた後にかかる費用」ということ。見えにくい費用のほうが、範囲が広いのです。
住まいのLCC① 建築時にかかる初期費用
LCC(ライフサイクルコスト)の中で最初に発生するのが、建築時の初期費用です。具体的には、本体工事費・付帯工事費・諸費用・土地に関する費用などが含まれます。ただし、初期費用はLCC全体の一部に過ぎないため、初期費用と将来のコストの両方をセットで捉えましょう。
関連記事:
2,000万円台の注文住宅、その価格には何が含まれる?総費用の考え方
住まいのLCC② 日々のエネルギーコスト
住んでから継続的にかかる費用が、エネルギーコストです。
- (一例)
- ・電気・ガス・水道などの光熱費
・固定資産税
・火災保険・地震保険などの保険料
などがあります。
住まいのLCC③ メンテナンス・修繕費用
快適な住まいを維持するためには、定期的なメンテナンスや修繕が必要です。
- (一例)
・外壁や屋根の補修・張り替え
・給湯器や水回り設備の交換
その他 将来的な出費
将来のライフスタイルの変化にともなう出費も、LCCの一部と言えます。
- (一例)
・子どもの成長・独立に合わせた間取り変更
・シニアライフに備えたバリアフリー化
LCCで差が出やすい家づくりのポイント
それでは、どのような選択をするとLCC(ライフサイクルコスト)に差が出るのでしょうか。家づくりの際に意識しておきたいポイントを確認してみましょう。

初期費用と将来のコストのバランスをどう考えるか
LCCの差が生まれやすいのは、「初期費用をどこまでかけるか」という判断です。例えば、建築費を抑えるために最低限の仕様を選んだ場合、次のようなことが起こる可能性があります。
- ・断熱性能が低く、冷暖房の効率が悪いため光熱費が高くかかる
・設備の耐用年数が短く、早い段階で交換が必要になる
・外装材の耐久性が低く、想定より早くメンテナンスが必要になる
一方で、初期費用が多少高くなっても、「光熱費が抑えられる」「修繕の回数が減る」仕様を選べば、30年・40年という長期スパンで見たときの総支出は抑えられます。
例えば、ウィザースホームでは耐久性の高い総タイルの外壁が標準仕様となっており、一般的な外装材に比べてメンテナンス費用を【50年間で約520万円】削減。また、ツーバイシックス工法の高気密・高断熱仕様により、【50年間で約1,348万円】の水道光熱費を削減できます。

関連ページ:技術と性能 ライフサイクルコスト│ウィザースホーム
家の性能が後々効いてくる
日々のエネルギーコストへの影響が大きいものが、住まいの断熱性能や設備性能です。
- 【住宅性能のポイント】
・断熱性能が高い家は冷暖房効率がよく、光熱費を抑えやすい
・太陽光発電システムを設置すれば電気代高騰のリスクに備えられる
こうしたコストの差は少しずつ積み重なり、長年暮らすうちに大きくなっていきます。性能にお金をかけることは将来の支出を抑えるための投資、という視点がLCCを意識した家づくりのポイントです。
関連記事:
設備や仕様選びも、長期目線で
住まいづくりの際に「将来、いつ・どのくらいの費用がかかりそうか」を想定すると、LCCの見通しが立てやすくなります。
- 【設備選びのポイント】
・特殊なサイズや仕様の設備は、交換時の選択肢が限られる
・一体型の設備は、一部の交換ができず丸ごと交換になることがある - 【間取りや設計のポイント】
・子どもが成長・独立した後も使いやすい間取りか
・バリアフリー化が必要になったときに対応しやすいか
・ライフステージの変化に合わせて、部分的なリフォームで済むか
ライフサイクルコストを家づくりの参考に
ここまでLCCについて解説しましたが、今後30年分・40年分のコストをすべて正確に計算する必要はありません。数字に縛られるよりも大切なのは、住まいに関する費用が「どこで・どんな理由で」発生するかを理解すること。それだけでも、家づくりの判断材料は大きく変わります。LCCを、住宅会社やプランを比較するときの有効な軸にしましょう。
例えば、
- ・建築費が近い2つのプランのうち、光熱費や修繕費に差が出そうなのはどちらか
・初期費用が高い理由が、将来のコスト削減につながる内容かどうか
・その仕様が、将来の暮らし方に合っていそうか
こうした視点を持つことで、「なんとなく安く済みそう」「なんとなく大丈夫そう」といった感覚的な判断から一歩踏み込んだ検討ができるはずです。
まとめ|LCCを知ることが、納得できる家づくりにつながる
2025年より新築住宅の省エネ基準適合が義務化され、建築費用が上がる傾向にあります。あわせて、エネルギー価格の高騰や今後も続くと考えられるインフレの影響により、住んでからかかる費用はこれまで以上に重要になるでしょう。家は「建てて終わり」ではなく、暮らしが続く場所です。LCC(ライフサイクルコスト)を意識することで、将来を見据えた納得感のある家づくりがしやすくなります。
「この家に、将来どれくらいのお金を使い続けられるか」住宅費のほかに教育費・生活費・老後資金など、家計全体の計画とあわせて考えることが大切です。
資金計画や住まいの性能について疑問や不安をお持ちなら、専門家に相談してみませんか?ウィザースホームでは無理のない予算の中で、将来まで見据えたプランをご提案いたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。


