高い耐熱性が求められる
宇宙ロケットにも採用
現代では建築以外の多方面で使われているタイル。表面温度が最高1,400℃に達する宇宙ロケットの表面にも採用され、高い耐熱性も認められています。
宗教建築や公共建築など、古くから建築物に採用され
歴史を刻み続けるタイルは文化的遺産として愛されつつ、
現代建築にもその系譜が脈々と受け継がれています。
そして、今もなお変わることなく土や石などの天然素材を主原料とし、
皿や茶碗と同じように、丹念に練って成形され、
高温の窯で焼き上げられるタイル。
その自然のぬくもりと風合いは、住まいに温かみと美しさを与えます。
タイルの歴史は古く、約4,600年前のエジプトでピラミッドの地下壁面に使用されたものが発見されています。
変わらぬ美しさのまま出土したタイルは、その優れた耐久性が証明されました。
7世紀以降はイスラム文化とともに発展を遂げ、やがてスペインからヨーロッパ各地に伝わり、次第に世界中へ広がりました。
日本でも東京駅丸の内駅舎をはじめ、旧首相官邸や神奈川県庁舎、学士会館など、
数多くの歴史的建造物の外壁材に使われ、今もなお建築当時の美観を保ち続けています。
現代では建築以外の多方面で使われているタイル。表面温度が最高1,400℃に達する宇宙ロケットの表面にも採用され、高い耐熱性も認められています。
古い建築物のタイルも現代の住まいに使われるタイルも、花崗岩などの天然素材を主原料に、
長石・陶石・石灰石・滑石などを用途に合わせて配合し、高温で焼き固めてつくられます。
茶色や褐色などアースカラーと呼ばれるレンガ調のタイル独特の色は、鉄や銅、
ニッケルといった自然界の物質が、約1,000℃前後の高温で焼かれた際に生まれたもの。
さらにはキラキラと光彩を放つ「ラスター釉」や、つや消しの「マット釉」など、
多種多様な釉薬を施すことで多彩な表情を演出しています。