コンセプト段階から斎藤さんに関わってもらった「スポーツと暮らす家」がついに完成しました。「想い」が「かたち」になった現場をあらためて斎藤さんが訪ねます。ウィザースホームが誇る技術と細心の心配りをその目で見て、その手で触って、全身で感じてもらいました。「スポーツと暮らす家」プロジェクトは彼に何をもたらしたのか? 斎藤さん本人に語ってもらいます。
完成、そして夢の先へ
バットの素材にも使われる木
「ついに完成しましたね。クールでありながらも存在感のある外観は僕のイメージ通りです」
「ついに完成しましたね。クールでありながらも存在感のある外観は僕のイメージ通りです」
──どうぞ中へ入ってみてください。
空ではヒバリがホバリングしながらしきりに鳴いています。斎藤さんは前庭のシンボルツリーに目を留めました。
「これは何の木ですか?」
──アオダモの木です。樹形が美しく、扱いやすいので人気のある木です。
「アオダモといえば野球のバットに使われる高級素材じゃないですか。これは嬉しいな。この家に暮らす家族と一緒に、木も成長していくんだな」
最大7.5mの距離が取れ、投球の肩慣らし程度はできる前庭には捕球ネットとバスケットゴールのサンプルが設置されています。おもむろにバスケットのボールを手にした斎藤さん。ドリブルの音、ボールがネットを揺らす音が前庭に響きます。
──このガラス戸の向こうがトレーニングルームです。中と外、それぞれの体を動かす場所を繋いだ形になります。
「なるほど、互いに行き来ができるわけですね。トレーニングルーム側から親御さんが外で遊ぶ子どもたちを見守ることもできますね」
玄関のドアを開け、ホールの左側に設けられたロッカールーム風のスペースへ。斎藤さんはベンチに座り、早速グローブを取り上げ、手に嵌めてみます。
「ここにいるとワクワクしますね。道具を収納するという機能的な場所であり、また気持ちを整える、気持ちを高める空間でもありますね」
──この隣がトレーニングルームになります。広さは8.5帖あります。
「贅沢なスペースだなぁ。部屋全体がブラックで統一されていて、ストイックな気分になりますね。ベンチプレスをやってみてもいいですか?」
その場にセットされていたベンチに仰向けになり、40kgのバーベルを斎藤さんは軽々と持ち上げて見せます。
──天井には空気中の匂いやアレルゲンを除去することができる空気清浄機とスピーカーを設置してあります。あと、隅のデスクにパソコンを置けば、そこでトレーニングに関する調べ物をしたり、オンラインミーティングをすることもできます」
「至れり尽くせりですね。今の時代はネットワークを使ってコミュニケートすることもスポーツの大事な一部ですからね」
トレーニングルームからランドリーコーナー、クローゼットへの動線を斎藤さんは辿って進みます。
「トレーニングをして、汗をかいたものを脱いで、洗濯機に入れて、シャワーを浴びてという流れがとてもスムースです。あれ、この床に埋め込まれているものは?」
──体重、体脂肪率、骨密度などが測れる体組成計です。計器を出し入れすることなく、いつでもここを通るときに気軽に測れるようにしてあります。
「これなら日常的に体のチェックができますね。自己管理の大切さはわかっていても、実際に続けるとなると面倒ですが、こういうふうにしてあると難なく続けられて、常に自分のコンディションが分かりますね」
寝室とウォークインクローゼットのあるコーナーへ。
「寝室は広々としてリラックスできそうです。壁の色合いも柔らかくて落ち着きますね。ベッドに触ってみてもいいですか?」
──はい、もちろんです。マットレスにもこだわって、シーリーのスポーツタイプを採用しています。
「クローゼットの手前にこぢんまりとしたワークスペースがあるんですね。ああ、これは理想的だなぁ。ここなら集中して原稿を書いたり本を読んだりできそうです」
デザインの力に興奮
階段を昇って、斎藤さんは2階部分へ。
「わぁ! 想像していたよりも全然広く感じます。天井、高いなぁ」
──全部で26.5帖分の広さがあります。天井を立体的なデザインにして空間をきれいに切り取っていることで実際以上に広く感じるのだと思います。
「デザインの力ですね。壁際に置かれた75型の大型TVが全然大きく見えないくらいです。キッチンもゆったりとレイアウトされていますね。子どもたちと一緒に料理すると楽しそう。タンパク質をキープしておくための冷凍庫のスペースも、きちんと用意されています」
──斎藤さんがこだわっていた部分ですね。
ダイニングを通り抜け、子ども部屋の前へ。壁面に付けられたぶら下がり器具の存在に目を留めた斎藤さん。
「これがプランにもあったやつですね。ちょっと昇ってみますか‥‥」
四肢を巧みに使って、斎藤さんはあっという間に天井付近まで昇っていきます。
「やっぱり天井がかなり高いなぁ。遊び感覚で昇れるけれど、これは実は本格的な筋トレになりますよ」
──子ども部屋の前のスペースとダイニングとの仕切りを、斎藤さんのアドバイス通りに取り払ったことで、2階全体が大胆に広く使えるようになりました。
「仕切りがないことで、つながり感があっていいと思います。親御さんにとっては、いつも子どもたちの様子がわかって安心ですね」
──そして、こちらからテラスへ。
「気持ちがいい場所だなぁ。バットの素振りが余裕でできますね。ここから見下ろすエントランス脇の前庭も良い眺めです。スポーツの後にチームメイトをこの家に招いて、ここでバーベキューしたりなんか出来たら最高ですね!」
ふと思い立って、テラスと室内を区切るガラス戸を閉める斎藤さん。おもむろに投球動作を始めます。
「このガラス戸に自分の姿が映るから、シャドーピッチングにうってつけだと思って」
──それは設計段階では想定になかった、新しい使い方です(笑)。
完成した「スポーツと暮らす家」を前に
斎藤さんにも新たなビジョンが
約1年の時間をかけて築き上げてきた「スポーツと暮らす家」がフィナーレを迎えた今、斎藤さんに改めてこのプロジェクトに参加して感じたことを語ってもらいました。
「まずは想像以上の出来栄えに驚いています。今回、コンセプト段階から関わらせてもらって、自分の理想を遠慮なくプランに盛り込んでもらいましたが、正直のところ、実現するのは難しい部分もあるかなと思っていました。ところが完成してみると、こちらのアイデアが全て活かされていただけでなく、さらに上のレベルで形になっていました。人の暮らす家とは何かを熟知したウィザースホームの物作りの力を目の当たりにして感動しました」
「たとえば1階のガレージのところに小さな水場がありましたね。一見洗車用に見えますが、あれはスポーツを終えて帰ってきた時に、泥まみれのスパイクシューズなどをすぐに洗えるようにとの配慮。また、トレーニングルームに設置された空気清浄機やネットワークスペースにも心憎い気配りを感じました」
「玄関脇の前庭、2階のリビング&ダイニングにフリースペースを加えた空間、そしてテラスと、広々とした家族共有のスペースがしっかりと確保されている一方で、玄関の隣のロッカールーム、主寝室脇のワークスペースや子ども用の寝室のようにコンパクトで、機能的で、プライバシーの守られる場所がきちんと存在する。この“空間のメリハリ”がこの家の最大の魅力だと思います」
「このプロジェクトがスタートする少し前に僕自身現役生活を離れ、野球やスポーツを通じて、世の中に何かを還元していこうとする仕事を始めたわけですが、『スポーツと暮らす家』にコミットすることで、スポーツという核を起点に、プレーする人もしない人もつないでコミュニティを作ることができるんだという確信を得ることができました。スポーツと家、スポーツと暮らしというのは実は親和性が高いんだということに気付けたのは大きいです。この経験がきっと今後に活きてくると思っています」
文/浮田泰幸 写真/猪原悠
斎藤佑樹 /1988年生まれ。群馬県太田市出身。
早稲田実業学校高等部3年時の2006年、エースとして夏の甲子園に出場し全国制覇。「ハンカチ王子」として大フィーバーを巻き起こした。早稲田大学入学後も輝かしい成績を残し、数々の栄冠を獲得。アマチュア球界No.1右腕として2010年ドラフト1位で北海道日本ハムファイターズに入団。ルーキーイヤーから6勝をマークし、プロ2年目の2012年には開幕投手も務めた。2017年からは背番号をアマチュア時代に慣れ親しんだ「1」に変更。しかし度重なるケガに悩まされ登板数も伸びず、2021年10月に引退を発表。
そして引退後の12月に自らの会社・株式会社斎藤佑樹を設立した。
「野球未来づくり」を掲げ、現在様々なプロジェクトの実現にむけて取り組んでいる。
斎藤佑樹
1988年生まれ。
群馬県太田市出身。
早稲田実業学校高等部3年時の2006年、エースとして夏の甲子園に出場し全国制覇。「ハンカチ王子」として大フィーバーを巻き起こした。早稲田大学入学後も輝かしい成績を残し、数々の栄冠を獲得。アマチュア球界No.1右腕として2010年ドラフト1位で北海道日本ハムファイターズに入団。ルーキーイヤーから6勝をマークし、プロ2年目の2012年には開幕投手も務めた。2017年からは背番号をアマチュア時代に慣れ親しんだ「1」に変更。しかし度重なるケガに悩まされ登板数も伸びず、2021年10月に引退を発表。
そして引退後の12月に自らの会社・株式会社斎藤佑樹を設立した。
「野球未来づくり」を掲げ、現在様々なプロジェクトの実現にむけて取り組んでいる。