設備 床暖房
暖房に心地よさを求めるなら「床暖房」
床下から部屋全体を暖める「床暖房」は、快適で健康的な家をつくるためのアイデアです。

「床暖房」とは
「床暖房」とは、床材の下に設置した暖房システムで部屋を暖めるしくみ 。床から足に伝わる「伝導熱」と、床に触れなくてもじんわり感じる「輻射熱」、床の熱が空気に伝わり循環する「対流熱」の3つの効果で、陽だまりのようにポカポカする、心地よい暖がとれます。持ち家に住む人に聞いた「あって良かった住宅設備」は、1位「浴室乾燥暖房機」、2位「床暖房」、3位「食洗機」、「今後欲しい住宅設備」1位は「床暖房」でした。一度経験すると手放せない設備が床暖房と言えそうです。


「床暖房」のメリット
床暖房では足元で暖められた空気が上昇して部屋全体が均等な暖かさになります。足元が寒いまま天井付近に暖かい空気がたまってしまうエアコンと比較し心地よいのはそのため。また床暖房は、熱源に直接触れなくても暖かい「輻射熱」が発生するのが特長で、低めの温度でも十分に暖かく感じます。エアコンと違って風が当たる不快感、風によるお肌の乾燥がなく、ホコリも舞い上がらず空気はきれいなまま。高熱の暖房器具がないのでやけどの心配がなく、見た目もスッキリ、掃除もラクです。
「床暖房」のデメリット
最も気になるのは高価な初期コスト。電気・ガス代のランニングコストのほか、温水式で不凍液を使う場合 はメンテナンスコストも必要です。次は暖まるまでの時間。最も早いガス温水式でも約30分もあるので、寒い冬などは、エアコンを併用して暖める場合も。エアコンと違い暖房のみの設備で、冷房はできません。最後は床材。床暖房対応のものしか選べず、ラグや絨毯は基本的にNGです。直接床置きするモノ、植物などへの熱の影響も考慮する必要があります。なお、配管やマットがない部分の床は冷たいままなので、位置をよく確認しておきましょう。
温水式床暖房と電気式床暖房の比較
床暖房には、大きく分けて温水をパイプ循環させる温水式と、電熱線などを利用する電気式があります。「温水式」は、温水をパイプ循環させて暖める方法で、ガス式、電気ヒートポンプ式、電気・ガスハイブリッド式、灯油式があります。「電気式」は電気で電熱線やパネルを発熱させ暖める方法で、電熱線式、PTCヒーター式、蓄熱式があります。ふたつを比較したのが下の表です。

オススメの「床暖房」設置場所
床暖房のキーワードは「心地よさ」。家族みんながその心地よさを味わえる場所はリビングです。つぎにオススメなのは立ち仕事が多く、足元が冷えがちなキッチン。また、床暖房は室温が上がりすぎず、部屋ごとの温度差が少ないのでヒートショック対策にも。いちばん効果を感じるのは足が触れている場所なので、滞在時間が長い部屋に設置するのが合理的。家族がよくいる場所を中心に採用するのが賢い方法です。
「床暖房」と組み合わせたい設備
ヒートポンプ方式を使って電気でお湯を沸かす給湯機「エコキュート」との組み合わせは省エネ効果が高く、床暖房の光熱費が安くなります。また、ガスで湯を沸かしながら発電するエネファームと温水式床暖房を接続するとガス料金が割引になり、発電時に作った湯も利用できて一石二鳥。電気式の床暖房には太陽光発電システムとセットでの導入もオススメ。創出エネルギーの自家消費で、省エネかつコスト減が目指せます。